定期誌「毎日が発見」読者の皆さんに実施したアンケートで、多くの方からいただいたのが「家」の悩み。そこで、災害から家を守る方法や、家を売却して住み替える方法、ご近所トラブルの対処法などを特集し、連載形式で配信します。今回は、「災害に強いリフォーム」を実施する際に「注意すべき場所」について、東京大学名誉教授の坂本 功先生にお聞きしました。
注意すべき場所1.「壁」
歩行が困難になったときの移動のしやすさを考え、壁に手すりを付ける際は注意が必要です。住宅の壁が石膏ボードの場合は裏側に空洞部分があり、そこに釘を打つとつかまったときに外れてしまいます。壁を叩いて音が高くなるところに木材が入っているので、そこを狙って取り付けましょう。
注意すべき場所2.「玄関」
車いすなどを使用することを見越して、玄関の出入りがしやすいようにバリアフリー仕様にリフォームするケースがあります。その際、ありがちなのが、壁や柱を壊してしまうことです。そうすると、耐震性が落ちてしまうので、壁や柱は絶対に壊さないようにしましょう。
注意すべき場所3.「水まわり」
台所、お風呂などの水まわりは、ジメジメした北側に設置される傾向があります。さらに、水道管の結露や湿気などにより木材が腐ってしまうと、耐震性が落ちてしまいます。また湿気のある場所や、湿った木材は、白アリが好むので、被害を受けないように、白アリ駆除や定期的に点検をしましょう。
注意すべき場所4.「家具・エアコン」
家具転倒防止に壁と家具をL字形金具で留める際、石膏ボードの壁だと、裏に空洞部分がありそこに釘を打つと地震の揺れで抜ける恐れも。壁を叩くと高い音がするカ所に木材が入っているのでそこに固定を。またエアコン新設で壁に穴を開ける際、耐震性を考えずに筋交いを切断すると、耐震性が低下します。
取材・文/中沢文子 イラスト/コウゼン アヤコ 取材協力/一般財団法人 日本建築防災協会 デザイン/ohmae-d