近年大きな注目を集めている「豆乳」ですが、上部が"三角形"の牛乳パックに対して豆乳パックは"四角"になっていますよね。なぜ同じ紙パックなのに、豆乳パックは三角形ではないのでしょうか?
牛乳パックは"注ぎやすさ"を重視!
今年5月放送の「この差って何ですか?」(TBS系)では、「牛乳パックと豆乳パックの"形の差"」に注目。食品容器に詳しい食品衛生コンサルタントの大野真梨子さんが、なぜパックの形に違いがあるのか解説してくれました。
大野さんによると、牛乳パックと豆乳パックでは重視していることが違うそう。牛乳の紙パックを作る際に優先されるのは、主に"注ぎやすさ"。三角屋根にすることでコップへの注ぎ口を作れるようになっています。また三角屋根内の空気によって、開封時に牛乳が飛び散らないようにしているのも工夫のひとつ。
牛乳パックがあえて空気を入れているのに対し、豆乳パック内には空気が入っていません。容器ギリギリまで液体が入っている理由は、"日持ち"を重要視したため。牛乳より消費量が少なく店頭に並んでもすぐに売れない豆乳パックは、空気中の酸素によって豆乳が傷まないよう配慮されていたのです。
さらに豆乳パックは酸素を取り込みにくくするため、紙パックの"素材"にもひと工夫。牛乳パックは酸素を通すポリエチレンを使って、"ポリエチレン・紙・ポリエチレン"の3層構造になっています。いっぽう豆乳パックは3層構造に加えて、酸素を通さないアルミニウムを使用。薄く伸ばしたアルミニウムが、酸素の流入を防ぐ形になっていました。
牛乳パックと豆乳パックの違いに、ネット上では「言われてみてようやく形が違うって認識した...」「同じ紙パックのように見えて役割りが全然違ったのか!」「新品の豆乳パックって中身がみっちりでお得だと思ってたけど、ちゃんと理由があったんだね」といった声が寄せられています。
ペットボトルの飲み口が"白い"理由は?
牛乳パック・豆乳パックと同じように、飲料用のペットボトルや缶にも違いがあるのをご存知でしょうか。
包装容器を製造する「東洋製罐株式会社」公式サイトでは、ペットボトル本体は透明なのに"飲み口だけ白いペットボトル"が存在する理由を掲載。高温殺菌した中身をそのままつめるためには、飲み口に「耐熱性」を持たせなければなりません。そこで熱処理をして「結晶化」させるので、熱処理されたペットボトルの飲み口は白くなっています。
飲料メーカーの「ダイドードリンコ株式会社」公式サイトでは、「Q&A」コーナーでアルミ缶とスチール缶を分ける理由について紹介。アルミは強度的にスチールほど強くなく、中味の圧力で容器の強度を保つ必要があります。そのため炭酸を含む飲料しか使用することができず、果汁飲料など炭酸飲料以外はスチール缶が使用されることに。ただ窒素充填技術などの進歩によって、今では炭酸飲料でなくてもアルミ缶の使用が可能となりました。
普段何気なく手にしている商品でも、細かな配慮によって包装容器の"形"ができあがっているのですね。
文/藤江由美