視界にゴミや虫のようなものが動いて見える「飛蚊症」。文字通り、蚊が飛んでいるように見える症状でもあります。今回は、意外に多くの人が気になっている飛蚊症の原因や仕組みについて紹介していきましょう。
高齢の人ほど飛蚊症になりやすい?
以前放送された「この差って何ですか?」(TBS系)では、飛蚊症になりやすい人となりにくい人の差が取り上げられました。
出演者の松崎しげるさんは飛蚊症の自覚があるようで、「気になりだすと大変」とコメント。同じく山瀬まみさんも、「明るい部屋で白い紙を見るとゴマがいっぱいある(ように見える)」「ずーと付いてまわってるから、結構気になります」と語っていました。
SNS上でも「昔から視界に影があるように見えるんだけど、何が原因なんだろう...」「かなり飛蚊症が激しいんだけど、これって病気なのかな? 原因がわからないから怖い!」といった声が上がっていて、飛蚊症に悩んでいる人は多くいるようす。
では一体どんな仕組みで飛蚊症が引き起こされるのでしょうか? 「品川近視クリニック」副院長(当時)の湯川聡先生によると、飛蚊症の原因は大きく分けると2つあるそう。1つ目は「老化」で、飛蚊症になる人の割合は加齢と共に増え、60歳以上では3人に1人というほど高い割合になっていきます。
そもそも眼の中には「硝子体」というゼリー状のものが詰まっていて、加齢と共に一部が濁っていきます。すると眼の外から光が入ってきた際、濁っている部分が影として映ることに。その影が蚊のように見えるという仕組みなんだそう。
若い人が飛蚊症になる仕組み
先生によると、飛蚊症を引き起こす2つ目の原因は「近視」。近視の人は、眼が奥に引き伸ばされている形状をしていることが多いようです。本来は硝子体と眼の奥にある網膜がくっついているのですが、近視だと接着が外れてシワが発生。眼の外から入ってきた光がシワに邪魔されることで、影が生じます。そのため年齢が若くて飛蚊症に悩んでいる人は、ほとんどが近視だと湯川先生は説明していました。
加齢と近視によって引き起こされる飛蚊症は、完全に治すことは困難だそう。しかし最近ではレーザー治療によって、濁っている部分を分散させる技術も登場。完治には至らないものの、症状を軽減できるようです。
なお飛蚊症に似た症状が重大な病気に結びつくことも。視界に映る影が半透明の場合は問題ありませんが、色が濃い場合には気をつけましょう。突然影の数が増えて見えたり、視野が欠ける場合も要注意。眼底出血や網膜剥離の可能性もあるため、医師の診断を受けたほうが良いかもしれません。
文/藤江由美