寝ている間や起きたばかりのタイミングで、突然足がつって激痛に苦しんだことはありませんか? 世間では「しょっちゅう足がつる」という人がいる一方で、ほとんど経験したことがないという人も多い様子。今回は、つりやすい人とそうでない人との間にはどんな違いがあるのか見ていきましょう。
足がつる原因は大量の汗
以前放送された「この差って何ですか?」(TBS系)では、寝ているときに足がつる人とつらない人の違いに注目。帝京大学医学部付属溝口病院の客員教授・出沢明先生が、筋肉が動く仕組みと足がつる原因について解説しました。
足の筋肉を動かすときには、まず脳からふくらはぎの筋肉に命令が入ります。命令を受けた筋肉が収縮をすることで、足の曲げ伸ばしが可能に。先生によると、この時命令を正しく伝えるためには、マグネシウムイオンという成分が充分に足りていることが重要。この成分が足りないと、筋肉にうまく命令が伝わらず必要以上の収縮が行われてしまうのだそうです。
マグネシウムイオンは、汗をかくと体の外へ排出されてしまう成分。つまり、大量に汗をかいた日は足をつりやすくなります。この原因に視聴者からは「筋肉が悪いんじゃなかったんだ!」「確かに夏とかつりやすいかも」「汗が原因だなんて思ってもみなかった...」と驚きの声が続出しました。
足がつってしまった時の対処法
寝ているときはつま先が伸びて下を向いているため、ふくらはぎの筋肉は縮んでいる状態。ここに脳から間違った命令が伝わると、さらに縮もうとして痛みが出てしまうのだそう。足をつってしまったときは、とにかくまずリラックス。足首を曲げてつま先を上げることで、筋肉が伸びて楽になっていきます。いきなり伸ばすとさらに傷んでしまうので、落ち着いてゆっくり伸ばすことが大切とのことでした。
足がつらないようにするためには、寝る前にコップ1、2杯の水を飲むこと。普通の水道水でもOKですが、マグネシウムがたっぷり入ったミネラルウォーターがより効果的。たくさん汗をかいた日には、水分補給は不可欠ですね。
出沢先生曰く、水分補給しても足がつる人はほかの病気の可能性が。椎間板ヘルニア、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病など、命に関わる大きな病気のサインを体が発している状態かもしれません。あまり長い期間続く場合は、一度病院で検査した方がいいでしょう。万全な状態でベッドに入って、快適な夜を過ごしてくださいね。
文/藤江由美