貯金が少ないから老後が心配...多くの人が抱える将来の不安。そんな時代に、「お金がなくても幸せになれる」と言うのは70代の牧師・ミツコさん。著書『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』(すばる舎)の中では、その暮らしぶりを伝えています。今回は同著書から、ミツコさんが感じた仕事のやりがいや日常の感動など、人生を充実して過ごすためのヒントをお届けします。
4人の娘たちは早くに独立。一緒に住む予定はなし
夫が亡くなり、ひとり暮らしを始めたとき、私からも娘たちからも「一緒に暮らそう」とはなりませんでした。
子育ての最大の目的は自立。
小さいときから娘たちには「18歳までは面倒みるけれど、あとは自分でどうにかして」と、言ってきました。
娘たちは高校生のときからアルバイトをし、自分のものは自分で買っていました。
高校卒業後の進路は、自分たちで考えてもらいました。
私自身も親からそう言われ、実際に神学校には奨学金で通いました。
今、娘たちは49歳、47歳、45歳、39歳になりました。
皆、早々に実家を出て結婚し、子どもにも恵まれています。
それぞれ5人、4人、3人、4人の孫がいて、合計16人になりました。
早くに親離れ子離れしているので、この先さらに年をとっても、一緒に暮らす予定はありません。
子どもたちには多少心配されているかもしれませんが、教会で毎週顔を合わせている安心感はあります。
娘たちは教会員ではあるものの、誰も牧師にはなりませんでした。
残念ではありますが、それも娘たちが選んだ道です。
孫たちの中から牧師になってくれる人が現れたらいいなと思っています。
なるべく娘4人を平等に扱うようにと考えて、「お姉ちゃん」という呼び方はしませんでした。
全員名前で呼び、「姉だから我慢しなさい」とか、「妹だから言うことを聞きなさい」とは言わなかったつもりです。
4番目は年が少し離れているので、3人の姉と私で4人の母がいるような感じだったかもしれません。
3人の姉は、よく妹の面倒をみてくれました。
今でも、4人は仲がよく、助け合っていると思います。
べったりはしないで、ほどよい距離感を保ちながら、付き合っています。
かまいすぎず、自立するように育ててよかった。
それぞれが、自分の足で立っているので、安心しています。
娘たちに「自立しなさい」と言ったのに、私が自立しないわけにはいきません。
だから、ひとり暮らしを続けます。
そのために、健康管理には気を配っています。
ただ、どんなにがんばっても難しいときは、老人ホームなどにお世話になろうと、今からその覚悟だけはしています。
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74歳の牧師がつづる、一人暮らしの老後生活。健康管理法やお金の価値感などについて全6章で紹介されています