これまで1000人以上のスタイリングを手がけてきた、からかわまりさんは、1シーズンで「トップス6着、ボトムス6着、アウター3着」を持つ新たな「洋服のルール」を提案。15着あれば十分着まわせるので、「それ以外の洋服を減らしましょう」と言います。そこで今回は、からかわさんと読者が「6・6・3」片づけに挑戦した様子をレポートします!
【まずはチェック】1シーズン15着あれば大丈夫! 洋服を減らす「6・6・3」ルールのススメ
●CASE-1 荻野久美さん(50歳)
自営業で人と会うことが多いため、オフィス系の服が多い。「印象が強い服は何度も着られないため、服の数が増えてしまいます」。
ステップ1:出す
荻野「季節ごとに分けていないんですが...」
からかわ「分けなくて大丈夫。ハンガーにかかった状態で分かるものを抜き出して」
ステップ2:分ける
トップス
ボトムス
アウター
荻野「アウターが多いですね。3着だけ選べるかしら」
からかわ「コーディネートしやすい服を優先的に残せば、自然と決まります。安心して」
ステップ3:選ぶ
からかわ「まずはボトムスの6着を選びましょう。そこにトップスを合わせて、着まわしやすさを確認します」
荻野「種類ごとに絞り込むんですね。やってみます!」
同じ白ならシンプルなデザインに
白いブラウスは1枚あれば十分。「上着を着る季節は、袖がすっきりしたデザインの方がもたつきません」。
選んだ服が合わなければ残りの服から再チョイス
「差し色になる明るい色があるとコーディネートしやすいですよ」ということで、残りの服から新たに追加。
着まわしが難しい服は却下
お気に入りの白いジャケットですが、実は着こなせない、と荻野さん。「難しい服は、残念ですがあきらめましょう」。
万能に着まわせる茶系のボトムスはあると便利
スエード素材のベージュのスカートは、選んだトップスに合わせやすい。「追加しましょう!」。
これだけになった!
荻野さんの秋服「6・6・3」
【トップス:6】
柄ものを1着に絞り込み、残っている服から色もの1着を追加。「自分では選ばなかった赤いトップスが入ることでコーディネートに変化がつきますね」と、荻野さんも納得のセレクト。
【ボトムス:6】
パンツ3着、スカート3着と、バランスのいいラインナップになった荻野さんのボトムス。「柄もの、色ものはそれぞれ1着入れていたのですが、べージュは盲点。あると絶対に便利ですよね」。
【アウター:3】
トップスとボトムスが確定したところで選んだのが、カジュアルにも着こなせるレザーのショートジャケットと薄手のウールコート、かっちりとしたトレンチ。「ベストの3着だと思います!」。
「6・6・3」片付けを終えて
「すてきな服をたくさんお持ちでしたが、思い切って枚数を絞り込んで正解! 不要な服の見極めができました」
クローゼットも取り出しやすくなった
「6・6・3」から外れた秋服を除いたら、ギュウギュウのクローゼットがスッキリ。一気に取り出しやすくなりました。
●CASE-2 菊地美津子さん(55歳)
服はほとんど処分したことがなく、若い頃からの服が山積み。「仕事をやめて通勤着もいらなくなったのに、なかなか処分できません」。
ステップ1:出す
菊地「何をどれだけ持っているか把握できていないんです」からかわ「『6・6・3』の倍を目安にして、好きな服を抜き出してみましょう」
ステップ2:分ける
トップス
ボトムス
アウター
その他
その他
菊地「ワンピースやカーディガンも残したいんですけど、いいですか?」
からかわ「大丈夫!トップスを1着分減らし、その分ワンピースを入れましょう」
ステップ3:選ぶ
菊地「甘めのかわいい服ばかり選んでしまいそう...」
からかわ「雰囲気が偏らないように、素材感の違う服や、引き締めになる黒系の服も入れましょう。印象が変えられますよ」
迷ったら試着!
試着は、1枚だけでなく全身コーディネートが鉄則。「合わせて着てみると本当に使える服かどうか分かります」。
ベーシックカラーの
ガウチョパンツは万能
グレーはどんな色にも合わせやすく、便利。しかも今年流行の長め丈パンツなら、活躍間違いなし、ということで追加。
古すぎるデザインは却下!
柄はかわいいけれど中途半端な丈が古くさい印象。「残しても着ない可能性大。サイズに問題がなくても外しましょう」。
羽織り着は1着だけ選ぶ
寒さ対策に必要なカーディガンは、「6・6・3」とは別枠で1着までOK。「コートの下に着られる長めの黒がおすすめ」。
これだけになった!
菊地さんの秋服「6・6・3」
【トップス:6】
カジュアルなカットソーから、甘めのブラウス、ワンピースまで、雰囲気の異なる6着をセレクト。「ワンピースを入れたいときは、その分トップスを減らすんですね。参考になりました!」。
【ボトムス:6】
柄もの1着と明るめの茶系を2着入れ、パンツを多めに選んだ菊地さん。「グレーのガウチョパンツは、自分でも持っていたことを忘れていたもの。合わせやすい服だと分かってうれしいです」。
【アウター:3】
訪問着としてスーツ系の上着を入れるか迷っていた菊地さんですが、外して正解。「スーツは着るシーンが限られてしまうけれど、天竺のカジュアルなジャケットなら幅広く着こなせますね」。
「6・6・3」片付けを終えて
「着まわしをよく考えると、自然に服の要不要が判断できます。クローゼットもムリなく片付きますよ」
クローゼットも取り出しやすくなった
目当ての服を探すのがひと苦労だったクローゼット。絞り込み段階で50着以上のいらない服が処分できて、見違えるようにスッキリしました。
▼処分
【まとめ読み】特集「洋服を減らす『6・6・3』の新ルール」記事リスト
取材・文/佐藤由香 撮影/三佐和隆士 イラスト/石坂しづか