夏の紫外線、汗、菱だけではない、マスクによる肌トラブルが今年は急増しています。秋に向けて、しっかり保湿する基本ケアに加え、今年はマスクダメージのケアが大切。そこで、芝浦アイランド皮フ科院長の八木葉子さんと、ヘアメイクアップアーティストの加藤聖子さんにお聞きした「保湿の極意」を特集!
今年の夏から秋は、しっかり保湿でダメージを回避
湿度も温度も高い夏を過ごした肌。
今年はさらにマスクをすることにより、多くのトラブルを抱えている状態といえます。
紫外線や冷房、汗の蒸発とともに肌の水分は奪われて、特に夏は室内でも乾燥しやすいのです。
いつも以上に保湿を心がけて、夏に蓄積した肌のダメージとともに、マスクによるトラブルを解消しましょう。
【夏の暑さが肌を乾燥させることも】
紫外線はシミ、シワの原因といわれますが、肌が乾燥している状態だと、よりシミ、シワになるリスクは高まります。冷房・扇風機、汗、紫外線の乾燥から、しっかり肌を保湿して守りましょう。
【マスク習慣で新たな肌トラブルが増えています】
夏でもマスクをしなければならない日々が続くと、肌の負担も日々増えていきます。日頃のケアとはまた別に、マスク部分、マスク以外の部分それぞれに、どんなダメージがあるか、チェックしてみましょう。
新習慣で激増中。マスクの弊害をケアしましょう
マスクによるムレや摩擦は、肌にとっては負担です。
マスク習慣による落とし穴を知っておきましょう。
1.目元の皮膚は2倍薄い!から特にダメージが集中します
目元は、ほかの部分と比べると皮膚の厚みが2倍薄く、肌を守る皮膚膜は、ほとんど存在しないといわれています。
繊細で乾燥しやすい目元は、最も老化があらわれやすいところなのです。
夏は日傘にサングラス、といきたいところですが、マスクをしているとそれもなかなか難しい状況。
結果、紫外線を集中的に浴びてしまいます。
目元の皮膚の繊細さを考えて作られた専用の美容液などをスキンケアに取り入れて、優しくケアしましょう。
詳しくはこちら:「うっかり日焼け」してませんか?「マスクの弊害からお肌を守る」4つのケア
顔を触らずにできる「目元&口元 たるみ用エクササイズ」
目を動かすだけで眼輪筋を鍛えます。目を上げて5秒そのまま
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目を右に動かして5秒そのまま。左も同様に
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最後は目を下に動かして5秒そのまま。アゴを引き過ぎないように
詳しくはこちら:マスクで負担のかかった肌に...。顔を触らずできる♪ 目元&口元の「たるみ用エクササイズ」
夏の終わりの保湿の極意① 冷房、汗、皮脂はどうする?
夏の肌疲れは、この時季一気にやってきます。しっかり保湿をすることで秋以降の肌状態に差が出ます。
洗顔&クレンジングで、汗、皮脂をしっかり落とす。
保湿の必要がある一方、この時季は汗や皮脂をしっかり洗い落とすことも大切です。
マスクの繊維や外気のホコリなどが、肌表面の汗や皮脂に付着しているため、帰宅後はすぐ洗顔するようにしましょう。
室内で過ごした日でも、夕方には一度洗顔を。
ジェルや水タイプのクレンジングを選べば、さっぱりとメイクを落とせます。
クレンジング後は、洗顔料をきちんと泡立てて、肌に泡を優しくなじませながら洗いましょう。
入浴せずに顔だけ洗う場合は、アゴや首までよくすすぎ、洗い残しがないようにしましょう。
詳しくはこちら:汗は?皮脂は? 保湿のための「スキンケア術」
実はこれも肌を乾燥させます。
夏の終わりの肌ダメージは、夏の寝不足とも深い関わりがあります。
寝苦しさで何度も起きることが多いと熟睡する時間が短くなり、睡眠不足状態に。
すると血流が滞り、肌に酸素や水分、栄養分がうまく運ばれなくなり、乾燥します。
眠る環境を整えることが、肌を乾燥から守り、さまざまな肌トラブルの回避につながるのです。
寝不足以外にも夏の寝室には肌ダメージのもとがたくさん。
眠りの環境を、乾燥対策という視点で考え直しましょう。
●寝室の扇風機や冷房の風
涼しい風があると心地よく眠れますが、当たり過ぎると肌の水分は一気に奪われます。
風向きを工夫するなどして、顔に直接風が当たらないようにしたり、風量の調節を。
●舞うホコリ
寝具のホコリが、冷房や扇風機の風で舞うことにより、空気中の水分を吸収して寝室スペースを乾燥させてしまいます。
サラッと涼しく過ごせる寝具の素材を選ぶなどしましょう。
●汗
日中だけでなく寝ているときも汗はかくので、枕カバーなどはこまめに替えて、清潔に保ちましょう。
肌が直接触れる部分は、汗を吸収しやすいものを選びましょう。
●寝不足
昼寝をし過ぎて夜眠れなくなったり、日中より涼しく過ごせるからと夜更かしをすると、寝不足の原因に。
肌の成長ホルモンが活性化する夜は、寝る時間をたっぷり取りましょう。
●脱水症状
夜寝る前に、コップ1杯程度の水分を摂って、体の中も潤しましょう。
汗をかき、体内の水分が足りなくなってくると肌の水分も奪われます。
お酒を飲んだときはいつもより多めに水分を摂ってから寝ましょう。
詳しくはこちら:知っておいて!生活の中で「肌を乾燥させる」5つのポイント
夏の終わりの保湿の極意② 紫外線予防と美白も習慣に。
1.家にいるときもこんなことに気を付けて
洗濯物を干すとき
ベランダや庭に洗濯物を干すとき、ほんの5~10分でも、紫外線はしっかり肌に届いています。腕を伸ばして、太陽の方向へ顔を向けて洗濯物を干す姿はまさに、紫外線を大いに浴びている!ということです。
2.夏の終わりも美白を忘れずに
【Day】日焼け止めは塗り直さなくてOK
普段は、化粧水や乳液で整えた肌に日焼け止めを塗りましょう。
UVカット効果のあるBBクリームや下地でもOK 。
その後、さらにUVカット効果のあるパウダーやファンデーションを重ねれば日焼けは防げます。
日焼け止めは2~3時間おきに塗り直すことを推奨されていますが、外出中に日焼け止めを塗り直すためにメイクをやり直すのは大変です。
メイクが崩れていなければ、2~3時間おきに顔にも使用できるスプレータイプの日焼け止めを使いましょう。
崩れている部分があれば、UVカット効果が高いパウダーで押さえればOKです。
ただし一日中、海や山へ出かける場合は、塗り直しが必要です。
詳しくはこちら:日中は? 夜は? 知っておきたい「夏の終わりの美白」
3.日焼け止め、美白美容液を120%生かす
日焼け止めや化粧水、乳液、美容液の塗り方も、一度見直しましょう。
ササッとつけて終わりにしていると、部分的に塗りムラができ、肌色に統一感がなくなったり、シワ、シミが増えてしまいます。
化粧水、乳液、美容液などの塗りムラが起きやすいのは、生え際、アゴのライン。
生え際は指先で優しくなじませ、アゴのラインは指を下から上にすべらせるようになじませましょう。
日焼け止めを塗るときは、耳や耳の裏もしっかり塗り込み、首や胸元までのばしましょう。
手に残った分は、手、足、ひじ、ひざにも塗って、ついでに体の保湿もしてしまいましょう。
【見落としポイント】
詳しい記事はこちら:見落としポイントに注意して!日焼け止め&美白美容液の120%活用術
構成・文/栃木さおり 撮影/大瀬智和 ヘアメイク/加藤聖子 イラスト/多田景子 モデル/伊出梓乃