アラフィフ女性にとって、身近なテーマである「更年期」。でも、更年期に起こる心身の不調の症状や程度、改善法は本当に人それぞれですよね。そこで、薬剤師やジャーナリストの方に、漢方で更年期症状が快方に向かった方のケースをお聞きする「更年期『漢方』相談室」を連載形式でお届け。第6回は、漢方食養生アドバイザー・管理栄養士の猪坂みなみさんに「更年期太り」の改善方法についてお聞きしました。
こんにちは、「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」の猪坂です。
そんなに食べていないのに体重が増えてしまう、若いころよりも痩せにくくなった、自分ではコントロールできないほどイライラしてしまい間食がやめられずお腹に贅肉がついてしまう、などのお悩みをお持ちではありませんか?
それはもしかしたらあなたの努力不足ではなく、更年期女性に特有の問題「更年期太り」かもしれません。
一般的に45~55歳の閉経前後の10年間は更年期と呼ばれており、この時期は、ホルモンバランスの乱れや、基礎代謝の低下の影響で太りやすくなってしまう時期なのです。
過去のお客様でも、30代半ばから徐々に太り始め、10年で10kg太ってしまったというお客様がいらっしゃいました。
Eさん(44歳)は、痩せたいと思い、甘酒やグラノーラ、おからパウダーなど流行りの食材をとり入れてダイエットに取り組むものの、なかなか体重を落とすことができないまま過ごしていました。
そんなある日、共働きのご主人のお姉さんから「専業主婦だと自己管理もできなくなっちゃうよね~」と言われ、不快な気分に。
そんな嫌味な義姉を見返したい!とダイエットを開始し、漢方の力も借りて更年期太りを改善できた事例を通して、更年期の不調の改善方法をお伝えいたします。
1.更年期は太りやすいってホント?その原因とは?
更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少します。
女性ホルモンには、内臓脂肪を蓄積しにくくする役割があるため、更年期にこのホルモンが減ると、脂肪が蓄積しやすくなり、太りやすくなってしまいます。
また、更年期世代の女性は若いころと比べて基礎代謝が低下していくことも、食事量が変わらないのに太ってしまう原因になります。
さらに、女性ホルモンの分泌量が低下することで自律神経が乱れてしまい、むくみや便秘を引き起こすことで、身体が重くなってしまうというお悩みを持つ方も多くいらっしゃいます。
2.「専業主婦は自己管理できない」と共働きの義姉に言われカッチーン...!
Eさん44歳女性。
中学生と高校生のお子さんがいる方のエピソードです。
30代半ばから太り始めたものの、自分より太っている友人と比べて「私よりあの人の方が太ってる。私はまだセーフ」と言い聞かせて目をそらしていたそうです。
「だましだまし過ごしているうちに、気づいたときには10㎏も太っていました。服も体型を隠せるようなゆったりワンピースとかチュニックばかり着るようになってて。
なんとなく痩せたいとは思っていたものの、厳しい食事制限や運動をするほどのモチベーションはなかったんですよね。『**ダイエット』と呼ばれるような、甘酒やグラノーラ、おからパウダーなど流行りの食材をとり入れる簡単な方法を調べては試すものの、全然体重は変わりませんでした。本当、お金がもったいないだけでしたね。
そんなとき、親戚の集まりのときに体型の話になり、『30代のころから10㎏も太っちゃった~でも、もう子供も産んだし、誰も私の体型とか見てないのでどうでもよくなってきますよね(笑)』と冗談で言ったんです。そしたら、共働きの夫の姉から『専業主婦だと周りの目もないし自己管理できなくなっちゃうよね~。仕方ないよ。私なんて太ってると仕事できないって思われるから、絶対太れないの。いいね、専業主婦はお気楽で』とマウントをとられてカッチーン...!!!もうあの腹立つ顔、忘れもしませんね」
その後Eさんは「ムカつく義姉を見返してやる!」と意気込んでダイエットを始めることを決意。
スポーツジムに通ったりスーパーフードを食べたり、流行っているダイエットを手当たり次第に始めたそうです。
「最初のうちは3㎏ほど痩せられましたが、それ以降は思うように体重が減りませんでした。すると、体重が減らないことがストレスになってしまい、どうしても止められずお菓子をドカ食い...。そしたらあっという間にリバウンドしてしまいました。そんなとき、ストレスによる過食を防止するのに漢方が効くという記事をネットで読み、漢方薬局に駆け込みました。しばらくもらった漢方を飲み続けていたら、ストレスを感じることが減っていき、5kgの減量に成功したんです。今ではダイエットも楽しくなり、漢方薬局でアドバイスされた運動や食事の改善にも力が入るように。ヨガもヘルシーなスープ作りもかなり上達したと思います」
Eさんは「義理の姉には、痩せようという気持ちに火をつけてくれたことに逆に感謝したいくらいですね」と余裕の笑顔を見せていました。
3.更年期太りは漢方で根本的に改善
女性ホルモンの変化は目に見えないので気がつきにくいですが、40代に入り、以下のような症状が見られる場合は、更年期の影響で太ってしまっているのかもしれません。
<これって更年期太り?チェックリスト>
□ 食事量は変わらないのにお腹にお肉がつきやすくなった
□ 便秘がちになり体重が減りにくくなった
□ 自分の意思ではどうしても止められないイライラで過食してしまうようになった
「このお腹のお肉ってもしかして更年期のせい?」「体質改善して若いころの体型を取り戻したい」そんな方におすすめなのが、漢方薬です。
漢方薬は、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないとされておりますし、対症療法ではなく、体質の改善に働きかけることで根本的な解決を目指すものですので、同じ症状を繰り返したくない方に最適です。
また、健康的な食事やセルフケアを毎日続けるのは苦手という方も、医薬品として効果が認められた漢方薬なら、症状や体質に合ったものを毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。
今回Eさんが服用した漢方は「大柴胡湯(だいさいことう)」という、ストレスで食欲が増してしまう症状によく使われる漢方でした。
この漢方は、気の巡りを促してストレスを低減させたり、便通の改善をサポートするものです。
高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛にも使用できます。
更年期太りの改善には、他にも以下の漢方が使われることがあります。
①お腹がぽっこり出ている、便秘がある場合:防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
血流や水分代謝を促し、身体全体の巡りを改善する漢方。便や汗などで、不要物を体外へ排出し身体を軽くします。脂質代謝機能を改善し、溜め込んでいる脂肪を減らすのに役立ちます。
②むくみやすい場合:防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
水分循環を促し、余分な水を排泄させます。水太りの肥満症の方によく使用されます。肥満に伴う関節の腫れや痛みにも有効です。
なぜ何種類もあるのかというと、同じ「頭痛」という症状であっても、体質や体型などによって、有効な漢方が異なるためです。
体質に合っていない場合は、効果が出ないことや、副作用が出ることもあります。購入時にはできる限り漢方に精通した医師、薬剤師等に相談するようにしてください。
自分に合った漢方薬が知りたい。コスパ良く漢方を飲んでみたい。という方には、「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」など、スマホで気軽に頼めるサービスもおすすめです。
4.体質に合った漢方で更年期太りを脱出しましょう
更年期は、女性ホルモンの分泌量低下の影響で脂肪蓄積しやすくなってしまいます。
さらに、基礎代謝の低下やイライラでどうしても止まらない過食など、複数の要因が重なるため、頑張っていてもなかなか痩せない...と落ち込んでしまうこともあるのではないでしょうか。
そんな方は、一度漢方を試してみてくださいね。
体質や症状に合った漢方なら、1~2週間で便通の改善やむくみ解消などの効果を体感できる場合もあります。
更年期ならではの改善方法で、更年期太りを脱出していきましょう。