「節約しているつもりなのに、全然お金が貯まらない」「将来のお金が心配」と、不安を抱えているだけで、「お金」と真剣に向き合うのを避けてはいませんか?節約・倹約で生活コストを落として生活に余裕が生まれれば、精神的なゆとりも持つことができるのです。月間700万PV超えの大人気ブログ『ノマド的節約術』運営者がみずから実践して厳選した、「誰でもできる節約のちょっとしたコツ」をご紹介します。
※この記事は「この1冊でお金に困らない! 節約ハック大百科」(松本博樹/KADOKAWA)からの抜粋です。
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節約の観点から知っておきたい「円安円高」のメリット・デメリット
「為替相場」についてご説明したいと思います。
普通に生活していれば、気になるのは海外旅行のときくらいかもしれませんが、実は、為替相場は毎日の生活に関連しているものです。円安、円高について知っておくことは、モノの見方が変わってくるので、節約の面からもぜひ覚えておいてほしいのです。
まずは、円安について。
1ドル100円から1ドル101円になったら、「円安になった」といいます。外貨を手に入れるのにより多くの日本円が必要なので、円の価値が下がっている状態ですね。
日本のものを海外に売る輸出ビジネスをしているのであれば、円安になればなるほど利益が大きくなります。
1万ドルの売上があったときに、1ドル100円と1ドル120円ならどちらが日本円でお得でしょうか? 明らかに1ドル120円のほうがお得ですよね。この場合は1万2000円の売上になります。
日本は輸出での売上が大きいこともあり、円安になることを重視する傾向があります。自動車の輸出などはまさにそうでしょう。円安によって日本全体にお金がまわるようになり、結果的によくなることがあるので歓迎されているのです。
反対に、1ドル100円から1ドル99円になったら、「円高になった」といいます。外貨を安く手に入れることができるのは、円の価値が高くなったからです。
一般的な生活をしていく上では、円高のほうがメリットが大きいと思います。円高になると外貨が安く買えるので、海外旅行にも安く行けるようになったり、外国産の商品を安く買えたりするからです。家計面では大きなメリットですね。
とはいえ、円高になったからすぐに海外に行くというのはなかなかできることではありません。いずれは海外旅行するけれど今は......という場合は、外貨決済ができる外貨預金口座にお金を入れておくのも1つの方法です。必要なのは、外貨預金にするときにかかる手数料だけ。急激な相場の変動で円高になった場合でも、渡航予定国の外貨預金を購入しておくと、旅行中に円安になっても影響ありません。
例えば、1ドル100円のときに外貨預金を購入しておけば、旅行中に1ドル120ドルであっても、1ドル100円のときに購入した外貨から決済されます。
もし、外国から輸入するビジネスをしているなら、円高になればなるほど利益が出やすくなります。当然、円安のときより安く仕入れできるので、売れたときの利幅が大きくなります。今の時代、誰でも行動さえすれば輸入のビジネスを始めることができるので、円高になったときはボーナスステージみたいなもの、といえるかもしれませんね。
このように、円安・円高のメリットはありますが、当然ながらデメリットもあります。
円安になると、単純に海外製品を手に入れるための費用がよりかかるようになります。その場合、売り手側も利益を確保しないといけなくなるので、物価に反映されてくるようになります。つまり、あまりにも急激な変動があって大きく円安になった場合は、いずれは食品や日用品もその影響を受けることになるのです。給料や事業収入が増えていれば問題ないのですが、現状維持だと厳しいでしょうね。
円安・円高どちらになっても全く問題ない状態にするのは、今すぐだと難しいかもしれません。でも、メリットとデメリットを理解しておくことで、デメリットを受けないようにするためにどうすればいいのか考えて行動するようになるはずです。私は、そうやって考えること自体が最も大切だと思います。
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