棚板など、変えられる機能は使う
本多 このクローゼットは、棚板もバーも位置を変えられるんですね。高さや位置を変えられる機能を使いこなしている人は本当に少なくて、たとえ不便を感じていても、最初の設定のまま使ってしまいがちです。
妻 どう変えればいいのかわからなくて。何から考えればいいんですか?
本多 棚板の位置を最初に考えるのは難しいんです。まず考えるべきは、「この収納で叶えたいことは何か」ということ。このクローゼットで言えば、「息子君の服を取りやすい正面にしたい」「隆俊さんの服をここに加えて、防寒着を取りやすい位置に下げたい」というのがメインテーマです。
それらを叶えるために、棚板はどの位置がよいのか、するとバーはどこに設置すればジャマにならないか、と考えていく。引き出しを入れたり、服を吊るしてみたり、実際に手を入れていると芋づる式に「じゃあこれはこうしよう」とアイデアが出てきます。
夫 いろいろ付け替えて、試しながら決めていくんですね。
本多 こればかりは、頭のなかだけで計画できるものではありません。たとえ「ぴったり入る計算だ!」と思っても、実際に入れてみたらピッタリすぎてかえって出しにくかったり。とにかく実際にモノを動かさないと始まりません。動かせば必ず、いい変化があらわれます。
夫 ここだけで朝の支度ができるなんて考えもしませんでした。ここの収納には期待していなかったのにね、使いにくいのは構造じゃなくて入れ方だったんだ。
写真:林ひろし イラスト:ヨシイアコ
【次回】モノだらけで使いにくいキッチンの改善ポイントは「配置変え」/快適に変える収納レッスン
さまざまな間取りで暮らす5組のお宅を著者がコンサルティング。実践的な整理収納術はあなたの家でもすぐに試せます