食料品を中心にさまざまな物価の上昇が続いている昨今。物価上昇の影響を受けているのは、私たちの家計だけではありません。一般社団法人中央酪農会議(東京都千代田区)が行った調査によると、あらゆる外的要因によって、日本の酪農家の間でもさまざまな問題が起こっているようです。存続の危機に直面している酪農経営の実情とは。
半数以上の酪農家が「経営を続けられない」と回答
日本の酪農家 197 人を対象に、一般社団法人中央酪農会議が6月9日〜14日に行った「日本の酪農経営 実態調査」調査概要によると、9割の酪農家が「経営難」と回答。
直近1カ月の経営状況を聞くと、65.5%の牧場が赤字経営を強いられ、現在の環境が続いた場合、55.8%の酪農家が「経営を続けられない」と回答しています。
背景には、牛乳消費の低迷による収入減、円安やコロナパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻などの外的要因が関係しているようです。
<主な調査結果>
Q. 過去1年間で、酪農経営に困難を感じたことがありますか?
Q. 現在、酪農の経営環境の悪化を感じていますか?
Q. 1カ月の牧場の経営状況は赤字ですか、黒字ですか?
Q.現在の環境が続いた場合、今後も酪農の経営を続けられると思いますか?
海外情勢が酪農家を直撃! 牛や生乳の販売収入の減少が追い打ちに
調査によると、経営悪化の要因は「円安」「ウクライナ情勢」「原油高」などが理由に挙げられています。
こうした外的要因は自分たちだけで解決するのが難しいもの。
また、牛乳や生乳の販売減少も大きな影響を与えているようです。
Q.どのような要因が酪農経営の悪化に影響を与えていると思いますか?
Q.酪農の経営を営む上で、減少していると感じる収入は何ですか?
Q.経営環境の悪化によってどのような影響を被っていますか
「円安」「ウクライナ情勢」「原油高」など、さまざまな要因によって苦しい経営を強いられている酪農家。
約7割の方々が「将来に向けた牧場の投資の減少」と答えるなど、将来的な見通しが立っていない状況です。
「貯金の切り崩し」など切実な回答も見受けられます。
酪農家の苦しい現状は、私たち消費者の生活にも大きな影響を及ぼすかもしれません。
今後に向けてどのような取り組みが行われるのか、注意深く見守る必要がありそうです。
そして、消費者にできることは何か、今一度考えるタイミングかもしれませんね。