あなたは「なりたい自分」になるためにやろうと決めたことを、ついつい「先送り」にしていませんか?仕事、勉強、ダイエットに部屋の片づけ。いざやろうと思っても続かなかったタスク処理が、心理学的な分析からのアプローチを使えばびっくりするくらい簡単に進んでいきます!「ハック」ブームの火付け役となった著者による、行動力アップのための「最強解説」があなた自身を「やりぬく人」へとアップデートしてくれるはず!
※この記事は『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)(佐々木 正悟/KADOKAWA)からの抜粋です。
前の記事「危機感をモチベーションにして「先読み」することに注力しよう/すぐやる人になる100の方法(3)」はこちら。
「パッキング」に気をつける
脳はあらゆる作業を「パッキング」したがります。脳は、細かく小さなことをいちいち認識していられないので、ひとまとめに「パック」したがるのです。
脳は「ひとつのまとまった概念」としてものごとを取り扱います。
たとえば、飲み会の準備をするときも「駅から近くて雰囲気のよいお店をピックアップして、参加費をどれくらいにするか検討し、料理のコースを決め、○月×日に予約を入れて、参加者全員にメール連絡して......」などとは考えません。「幹事をやる」とひとことでまとめてしまいます。
かなり込み入った仕事でも「ひとつの仕事」として認識してしまうのです。というよりも、かなり込み入った仕事だからこそ、ひとつにまとめたがるといえるでしょう。これが「パッキング」です。
○ 「パック」した仕事は、実行しにくい
このようにコンパクトにひとまとめにしたほうが、思い出したり紙に書いたりするのには便利でしょう。しかし、いざそれを実行しようとするときにとても難しく感じます。これが「すぐできない」原因となります。
脳は、ひとことで仕事を表しがちなので、手帳やTODOリストにもひとことで書き入れてしまいます。
「旅行に行く」「部屋を整理する」「起業する」「プログラムを組む」「プレゼンの準備をする」。こんな項目があなたのTODOリストに並んでいませんか?
これでは手がつけられないはずです。
どれもひとことですませてしまえば、脳にとってはそのほうが楽です。概念として扱いやすいからです。
パッキングしてしまえば「本当はできないはずのこと」であっても、ひとことで表すことができます。TODOリストをつくるのが好きな人は、できもしないことがやれそうに思えるからかもしれません。
○ リストに書いてワクワクするだけで満足してはいけない
リストに「やるべきこと」や「やりたいこと」をパッキングして書き出してみると、脳はワクワクします。
書き出しただけでは、何も成し遂げられていないのに、すでにたくさんの仕事を終えたような気になるのでしょう。
もちろん手帳やリストに仕事を書いただけでは、何かを実行したことにはなりません。書き出すことは楽しいですし、満足感も得られるかもしれませんが、そのワクワクに慣れてしまうと、リストは何もできていないことで埋まっていき、いつのまにか「すぐやれない」人になってしまいます。
脳がやりがちな「パッキング」への対処法は次項でご紹介します。
分解する
パッキングをすると脳にとっては都合がいいのですが、いざ実行するときになって、なかなか動けないという問題に直面します。
たとえば「部屋を整理する」というのは、脳にとっては好都合です。
ただ、これでは実行するのにあまりにも表現がコンパクトすぎる。リストに書くときは便利ですが、実行するには、ハードルが高いのです。
どうすればいいかというと、小さく分解していく、これに尽きます。
「部屋を整理する」ではなく「ペンをペン入れに戻す」「レシートを捨てる」など、すぐに実行できるところまで分解することが大切です。
脳は、ものごとを「パック」してとらえたがりますが、それでは実行できないので、パックからひとつずつ取り出して、すぐに実行できるところまで分解していく必要があるのです。
○ どんどん分解するクセがつけば自然と「すぐやる」人になれる
すぐやれない人は、イメージが漠然としています。「運動をする」「ダイエットをする」「貯金をする」など。これでは、いつまでたっても動けません。
うまくいく秘訣(ひけつ)は分解していくことです。「運動する」といってもやることはいろいろありますから「走る」に絞ったとします。走るためには、道具がいります。たとえば、まずスポーツ用品店に行ってジャージとランニングシューズを買う必要があるでしょう。
「運動をする」を分解すれば、いまできることは「どのジャージとシューズを買うかをインターネットで調べる」ということになります。これならすぐにできませんか?
すぐできないときは漠然と思い描くのではなく、分解していって、すぐできることを探してみてください。
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