長くいる「家の中」、今こそ居心地のいい空間にしたい――そんな望みを「好きなもの」でかたちにした圷みほさんの暮らしは、インスタで話題に。圷さんの初著書『かごと木箱と古道具と。』(ワニブックス)から、自宅で実際に使っている家具や食器をご紹介します。
うつわのこと
うつわはわたしの趣味です。
会社勤めを辞めて雑貨店に勤めたとき、いろんな作家さんがいらっしゃることを知りました。
時間ができたらうつわを見に、あちこちのお店を回るように。
益子の陶器市にも訪れるようになりました。
昔はパッと見てかわいらしいポイントのあるものが好きでしたが、最近はかたちや素材、色など全体のバランスを見るようになりました。
見えないところにポイントがあるものにも惹かれます。
家にあるうつわは、作家さんを通じてひとつひとつ選んだわたしの宝物。
手作業でつくられるうつわは愛着がわきますし、おばあちゃんになるまで大切に使いたいと思います。
いいうつわは心も食卓も豊かにしてくれる、そんな気がします。
スタメン食器はこれだけ
普段使いのうつわはスタメンを決めて、家事の効率化に役立てています。
レンジの上に置いてあるのは朝ごはんセット。
朝はパン食が多いので、プレート類が中心です。
みんなの朝食をササッと盛り付けて、パパッと片付けます。
ウォールシェルフにあるのは夜ごはんセット。
お茶碗と汁椀を中心に、よく使う食器を並べています。
いざキッチンに立ってみると広くて動きにくかったのですが、この場所にまとめたら家事動線も決まってラクになりました。
その他のうつわは大きい食器棚に並べています。
どんなうつわも使い倒す気持ちで
大好きな作家さんの大事なうつわであっても、必ず普段から使うようにしています。
うつわは使ってなんぼ。
壊したらいけないからと、使わずに飾っておくだけでは、うつわの良さを本当に感じることはできないと思うのです。
だから普段の食卓にも、娘のおやつにも、出し惜しみせず作家さんのうつわを使います。
子どもも大事に使うのか、意外と壊されたことはありません。
大好きな作家さんのうつわを紹介します!
●オノエコウタさん
東京、八王子にアトリエを構えるオノエコウタさんの作品です。
みんなでおかずを取り分ける大皿料理のときに活躍する大鉢です。
とくにサラダを盛り付けたときの美しさは格別。
シルエットがたまりません。
●渡辺キエさん
益子に移り住み制作をされている渡辺さんの作品は、流麗な線の細さがたまらなくツボ。
陶器のような磁器の小皿は、おはぎをひとつだけのせたり、お漬物をのせたりして使っています。
●桑原典子さん
マットな質感や、薄く繊細な口辺に一目惚れ。
カップにコーヒーを、小さなボウルにフルーツやヨーグルトを、桑原さんのうつわはお休みの日の朝ごはんをとても贅沢な時間にしてくれます。
●中村恵子さん
益子の人気陶芸作家、中村さんのうつわは、ぽてっとしたフォルムに手しごとならではのあたたかみを感じます。
先日、家族3人分のごはん茶碗を購入しました。
白いごはんがより一層美味しくいただけます。
●今井律湖さん
益子の陶器市でお見かけして、その作風に惚れ込みました。
それまでマットなうつわが好みでしたが、益子焼らしい土っぽさと艶感に打ちのめされたのです。
これは夫とわたしが毎日使っているマグです。
●うだまさしさん
4年くらい前、娘の離乳食用に購入した木製スプーンをきっかけにうださんの作品を集めるように。
カトラリー、うつわ、ランプシェード、カッティングボード、どれもわが家に欠かせない存在です。
●櫻井薫さん
昨年より益子で作陶を始められた櫻井さんの透明感のあるうつわ。
この色合いにときめきを覚え、思わず手に取りました。
みずみずしいフルーツやサラダの盛り付けに使っています。
●成井窯さん
わが家の餃子は成井窯さんの大皿にのって食卓に上がります。
土っぽさを感じるお皿は一枚一枚表情が異なるので、お気に入りを見つけたら即買が鉄則です。
リーズナブルなのも嬉しいポイント。
●井山三希子さん
長年愛用しているわが家のスタンダード。
手作りならではの縁のゆるい感じと、くっきりはっきりとした白とマットな質感は、どんなお料理にもよく映えます。
おもに朝ごはん用のパンやホットケーキをのせています。
●町田裕也さん
シンプルなデザインのなかにも温もりを感じる町田さんのうつわは、わたしの主宰する「acutti」でもお取り扱いをしています。
素朴で普段使いのしやすい愛着のわくうつわは、毎日使っています。
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