掃除機は大きく、冷蔵庫は小さく。老後の一人暮らしが快適になる「家電&家具の選び方」

70代を迎え、一人暮らし歴40年を超える生活研究家の阿部絢子さん。「一人暮らしをようやく面白がれるようになった」とつづられた阿部さん著書『ひとりサイズで、気ままに暮らす』(大和書房)から、この先の人生できっと訪れる「一人暮らしを楽しむコツ」をご紹介します。

ひとりサイズで、きままに暮らす02

モノありきで暮らしを考えるのをやめる

ひとり暮らしなのだから、誰かと一緒に住む場合に比べてモノは少ないはずだ。

少ないモノなら快適性が維持できそうなものだが、そうもいかない。

モノの持ち過ぎはゆくゆく厄介なことになるということも頭ではわかっている。

モノのサイズだって、ひとりなのだから小さくていいし、むしろなくてもいいくらいの気持ちを持てればいいのだが、じっさいはひとりであってもモノに溢れた暮らしになりがちだ。

ある掃除嫌いの友人が、自動掃除機(通称・お掃除ロボット)なら好き勝手に掃除してくれるだろうと考えて購入してみた。

しかし、この自動掃除機の集塵器がとても小さく、いつも集塵器の掃除に追われ、かえって手間がかかることがわかり、困ってしまった。

友人は次々と掃除機を買い替え、経済的な負担ばかりかかって、掃除嫌いは一向に解消しなかった。

ついに彼女は自動掃除機よりほんのちょっと集塵容量の大きなコードレスハンディ掃除機を買ってみたが、それでも掃除嫌いはなくならないという。

それもそうだ、掃除嫌いが無理に掃除機で掃除しようとするから間違いなのだ。

掃除が嫌いなら、先に掃除機を購入するより、床材質を考慮の上でまずは箒を買い、目立つところの汚れだけをちょいちょいと掃いてすませる。

これで掃除する気持ちの負担は軽くなる。

それを、掃除は掃除機でないとできないと思い込んでしまうから、道具が進化すれば掃除負担も解消すると勘違いし、ますます嫌いになるのではなかろうか。

生活用品は、最初にモノありきで考えると、スタート時点からモノが多くいる。

そして行く末までモノを増やし続けることになるのだ。

ひとり暮らしのスタートは、まずモノを持たないところから始めるといい。

しばらくして自分の暮らしが落ち着いてきたところで、本当に必要なモノは何か、選別に次ぐ選別をして、取り入れていけばいいのだ。

もし掃除機を使うなら、大きいサイズのほうが集塵力が大きくてゴミ捨てや手入れの回数が減り、掃除嫌い解消に一役買う。

反対に、冷蔵庫は大きいサイズよりも小さいサイズのほうが、早く中身の消化ができて、入れ忘れや食べ忘れもなく、食品がムダにならない。

こうしてモノは、自分の暮らしに合うよう厳選に厳選を重ねながら、ひとり暮らしを快適に整えていくことが大切だと私は思う。

先にモノありきといった考えは捨ててしまおう。

暮らしのモノにトコトンこだわる

暮らし上手はスキッとしている。

多くのモノは持たず、室内はキレイに整い、いつも身だしなみよく、清潔感が漂って、香水など付けなくても、爽やかな匂いまでするようだ。

暮らしは、100人居たら100人とも違っている。

誰ひとりとして同じ暮らしをしている人はいない。

それは、姉妹でも親子でも、ちょっとした好みまで全く瓜二つということがないからだ。

暮らしは違って当たり前なのだ。

暮らし上手の共通点があるとすれば、それはトコトン暮らしを徹底する、言い換えると暮らしにこだわりを持っていることだ。

たとえば、いい加減に家具を買わない。

徹底的に自分が気に入る家具を探す。

テーブル一つ、椅子一つにもこだわりを持っている。

そして、徹底してこだわり、買い求めた家具は徹底して使う。

これも暮らし上手のこだわりだ。

たとえば、苦労してやっと探し求めた衣類は、いい加減な着方などできるわけがない。

手入れにだってこだわる。

一度気に入った衣類、再び同じものが手に入るとは限らない。

それなら丁寧に、大切に、最後まで着てあげるのが衣類に対しての礼儀なのだ。

しかし、残念ながら衣類は流行遅れにもなっていく。

それでも普段着にして着ることにすれば、日常暮らしがより素敵になる。

着ているものがどうでもいいと、気持ちまでどうでもよくなり、毎日だって楽しくないのだ。

何気ない日常を盛り上げるのは、使っているもの、着ているもの、持っているものなど、日々身のまわりにあるモノだ。

特にひとり暮らしの場合は、毎日を気分よく過ごすためにも、気に入ったモノに囲まれているといい。

雑なモノたちに囲まれていると、気持ちも雑になる。

ガサついた気持ちで暮らすのでは、日々が楽しくない。

たった一つの椅子にもこだわって探し、それを丁寧に使えば、その存在があるというだけで、暮らしは品よく、心地よく進む。

少々嫌なことも、椅子一つあるだけで和める。

そんなモノたちに囲まれることが、自分で暮らしを上質に変える力になるのだと、私は思う。

いいモノをトコトン使う

暮らし上手になる秘訣は、気に入ったモノをトコトン使うこと。

私の家のこだわりは、客間にある座卓と、書斎の作りつけ本棚。

お気に入りのモノに囲まれているだけで気分が上がる。

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たくさんある書籍は、部屋のサイズに合わせて作りつけた本棚へ。

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客間にある210×95cmの座卓はお気に入りの一点物。

こだわって選べば家具一つにも愛着がわく。

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110-H1-hitorisaizu.jpg生活、心構え、老い支度など5つの視点から、著者の経験をもとにした一人暮らしのコツが提案されています

 

阿部絢子(あべ・あやこ)
新潟県生まれ。生活研究家、消費生活アドバイザー、薬剤師。共立薬科大学卒業。百貨店の消費生活アドバイザーとして30年間勤め、現在に至る。料理をはじめ、家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なアドバイスで、出版・講演など幅広く活躍。70代になった今も、年に一度海外にホームステイで出かけている。

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『ひとりサイズで、気ままに暮らす』

(阿部絢子/大和書房)

老後の一人暮らしは寂しそう…と思ってませんか?それは、あなたの考え方、過ごし方次第で全く違う景色に変わります。40年間の一人暮らしを通して今、充実した生活を続けている著者が思う5つのコツ。年を重ねても老けこまず、自分らしくあるための指南書です。

※この記事は『ひとりサイズで、気ままに暮らす』(阿部絢子/大和書房)からの抜粋です。
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