「周りの目」を有効活用! 行動の理由も都度ふりかえってみよう/すぐやる人になる100の方法

あなたは「なりたい自分」になるためにやろうと決めたことを、ついつい「先送り」にしていませんか?仕事、勉強、ダイエットに部屋の片づけ。いざやろうと思っても続かなかったタスク処理が、心理学的な分析からのアプローチを使えばびっくりするくらい簡単に進んでいきます!「ハック」ブームの火付け役となった著者による、行動力アップのための「最強解説」があなた自身を「やりぬく人」へとアップデートしてくれるはず!

※この記事は『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)(佐々木 正悟/KADOKAWA)からの抜粋です。

「周りの目」を有効活用! 行動の理由も都度ふりかえってみよう/すぐやる人になる100の方法 pixta_23500212_S.jpg前の記事「現状維持をしながら変化しよう。 行動には「宣言」も効果的!/すぐやる人になる100の方法(9)」はこちら。

 

「他人効果」を使う

ひとりで何かをすることはとてもパワーがいります。自分の部屋で、ひとりで勉強をするとき、ついついなまけてしまった覚えはないでしょうか。でも、図書館やカフェなどで仲間と勉強すると、はかどったのではないでしょうか。

これは「他人の目」がなせるわざです。ほかの人に自分が見られているという意識から、動くことができたのです。この「他人」をうまく使うというのは動くためのコツです。心理学ではこれを「ホーソーン効果」といいます。

会社も他人の目があるからなまけることはできません。在宅ワークだとホーソーン効果が引き出せないのです。これだけネット環境が整ってきているので、在宅でも仕事をできなくはないはずです。それでも会社に出てきてやるというのは、ホーソーン効果によってモチベーションの維持や効率化がはかれるからです。

ホーソーン効果がないと「自律心」が非常に大切になってきます。「すぐやる」ことに比べても自律心を持つことはよほど難しいでしょう。

 

○ コミュニティーを徹底的に利用する

人の欲求には「承認欲求」があります。誰かに認められたい、という欲求です。誰にも認められないと行動のモチベーションが上がりません。
ひとりで何かをしていると「承認欲求不足」に陥ります。つねに承認欲求が満たされるようにしたほうが「すぐやる人」でい続けられます。

この承認欲求を満たせる場は、仕事であればやはり「会社」でしょう。
電話営業やテレアポであれば、隣の人や上司なりに「10件いったね」などと声をかけられるだけでやる気は変わってきます。お互いに声をかけ合う職場だとお互いのモチベーションは上がるはずです。

ダイエットや運動であれば、やはりジムに行くのがいいでしょう。できればトレーナーについてもらって、声をかけてもらいながら進める。「宣言→実行→報告」のサイクルをうまく回していきましょう。

 

○ 聞かれていなくてもいちいち報告する

報告しなくてもいいことであってもいちいち報告するのもおすすめです。
上司に「資料を夕方までにつくります」「今日は営業先を5件回ります」などと宣言しておいて、実行したらこれも報告します。聞かれていないことでも報告する。そうして承認欲求を満たすのです。

ただひとつ注意したい点は、できそうにないことをいちいち宣言すると危険です。できなかった場合に、失敗の経験が増えてしまって、逆効果になるからです。あくまでできそうなことを宣言することがポイントです。

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「そもそも」を考える

たとえばホームページの作成を誰かに依頼したとします。
依頼する時点で、ある程度、自分の中に完成イメージがあるはずです。魅力的なページが頭の中ではできあがっています。

しかし、実際にできあがってくるものは、大抵そういうものではありません。「期待以下」のものができあがってくることがほとんどです。そこであなたはとてもガッカリすることになります。

ホームページの例で説明しましたが、こういう例は日ごろの活動の中で日々繰り返されているのです。

どういうことかといいますと、たとえばダイエット。これは「オーダー」も「納品」もどちらも自分でやっています。自分で自分に依頼をして、できあがってきた体にガッカリする、ということです。仕事でも同じようなことがあるでしょう。多くの場合「実際にできあがってくるもの」は「完成イメージ」よりも下なのです。

このギャップについてきちんと考えておかないと、毎回のガッカリにまいってしまい、すぐに動けない事態に陥ってしまいます。

 

○ 「そもそも」なぜそれをするのか考える

モチベーションを完成品にだけ求めてしまうと、毎回ガッカリすることになりますから、いずれ動けなくなります。したがって、モチベーションの「修正」をしていくことが大切です。

そのときに考えるべきなのは「そもそも」なぜその行動をしようと思ったのか、ということです。モチベーションの「根元」を明らかにするのです。

ダイエットにくじけそうになったときは「そもそも」なぜダイエットを始めたのか、というところに立ち返ってみるといいでしょう。「夏に友達と海に行くときに恥ずかしいから」「誰かとつき合いたいから」など「そもそも」というところまで戻ってみることです。より根源的なモチベーションを発見していきながら動くことが成功の秘訣(ひけつ)なのです。

 

○ 「実行すること自体に意味がある」はきれいごと

よく「実行すること、続けること、それ自体に意味がある」という人もいます。これは、聞こえはいいのですが、ほとんどの人にとって、難しいことだといわざるを得ません。

だから、モチベーションの「源泉」を変更していくことが重要なのです。意識的に「どんなモチベーションがあり得るだろうか」と考えて、紙に書き出してみてもいいでしょう。

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佐々木 正悟(ささき しょうご)

心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。
1973年、北海道旭川市生まれ。1997年、獨協大学を卒業後、ドコモサービスで働く。
2001年、アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後の2004年、ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年、帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行っている。著書は、『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)、『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』(KADOKAWA)、ベストセラーとなったハックシリーズなど多数。


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『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』

(佐々木 正悟/KADOKAWA)

何をするにも「すぐやる人」と「腰が重い人」っていますよね。あなたはどちらでしょうか?仕事、勉強、トレーニングにスポーツ、ダイエットなど、私たちは自分自身がもつ「目標」のために日々何らかのタスクリストを作っています。しかし、なぜか「やりぬくことができない」と悩む人に知ってほしいのが、心理学的な分析に基づいた「行動理論」。「すぐやる人」「やりぬく人」になれる100の方法が、イラスト図解で端的にわかりやすく紹介されています!タスクに追われて溺れがちな現代人におくる、「すぐやれる自分」にアップデートするための最強取説です!

この記事は書籍『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』からの抜粋です
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