現状維持をしながら変化しよう。行動には「宣言」も効果的!/すぐやる人になる100の方法

あなたは「なりたい自分」になるためにやろうと決めたことを、ついつい「先送り」にしていませんか?仕事、勉強、ダイエットに部屋の片づけ。いざやろうと思っても続かなかったタスク処理が、心理学的な分析からのアプローチを使えばびっくりするくらい簡単に進んでいきます!「ハック」ブームの火付け役となった著者による、行動力アップのための「最強解説」があなた自身を「やりぬく人」へとアップデートしてくれるはず!

※この記事は『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)(佐々木 正悟/KADOKAWA)からの抜粋です。

現状維持をしながら変化しよう。行動には「宣言」も効果的!/すぐやる人になる100の方法 pixta_35395923_S.jpg前の記事「「とりあえずやる」ならやらずに立ち止まって。 タスクは構造化で見やすくなる/すぐやる人になる100の方法(8)」はこちら。

 

「現状維持バイアス」を外す

たとえば、運動やダイエット。絶対やったほうがいいとわかっているのに、なぜできないのでしょうか?
その理由は、いまの状態が心地よいからなのです。
現状が最高だと思ってはいないけれど、運動しなくても死ぬわけではないし、すぐやせなければいけないというわけでもない。とりあえず、現状でも楽しいから、そのままにしてしまう。そういう心理です。

人は現状のほうにより大きな価値を置きます。人は「現状」のほうが「現状以外」よりもおおむね好きなのです。

 

○ 人生の「慣性の法則」を壊すのは大変

現状維持をしたがる。これは、物理学でいう「慣性の法則」のようなものでしょう。誰しもそれまで生きてきた何十年かの「システム」が構築されています。そこを壊すのはなかなか大変です。変えたくないのです。

心理学には「現状維持バイアス」という言葉があります。「現状維持バイアス」によれば、人は現状維持をしたがる、変化を嫌う傾向が強いのです。
「いままでこの洗剤を買ってたから同じものを買う」
「株も同じような銘柄であればいままで持っていた株のほうを持っていたい」

合理的な判断よりも、現状を維持しようという判断のほうが説得力を持つのです。
「未来のほうがよくなる」という心理は、現状維持欲求を強化してしまいます。「このままでいればよくなるんじゃないか」という気持ちがあるから、現状維持をしたがるのです。

関連記事:「まずは行動を。未来の自分に期待せず、優先度をつける前に朝一でやる!/すぐやる人になる100の方法(1)」

 

○ 現状維持をしながら動く

さて、では、どうすればいいか、という話です。
対策としては、「現状を維持しながら動き始める」という方法がいいでしょう。たとえば、外に行ってジョギングするのが嫌なら、まず歩いてみる。現状からの変化を小さいものにするというわけです。

人は、いざ何かを始めようとすると勢いをつけて一気に変えたがりますが、実際にはそうはいきません。だから逆に現状維持を肯定してしまうのです。変化の幅をなるべく小さくしてあげることが大切です。

なぜ一気に変えたくなるかというと、まず「一気に変わりたい」という願望があるからです。しかし「変える」ことと「変わる」ことは違います。一時的に「変える」ことはできます。しかし一気に「変わる」ことはできないのです。

一気に「変わる」ことができないのであれば、少しでも「変える」ことが重要です。

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宣言する

すぐやるために宣言してしまうという方法も効果的です。その通りに実行できたら、それも報告しましょう。人には誰かに認められたいという欲求がありますから、この方法はとても効力があるのです。

家族と住んでいる方でしたら、することを家族に宣言すればいいでしょうし、仲のいい友達でもいいでしょう。

いまは「ツイッター」というゆるい関係性を構築できる場もあります。ツイッターで「○○をやる!」と宣言し、実行したらその進捗(しんちょく)状況もつぶやきます。誰かが何かしらコメントをくれたり、ほめてくれたりすればベストですが、そうでなくてもとにかく「誰かが見ている」という状況が大切なのです。

 

○ 続けるときにも「宣言」は効果的

これは「すぐやる」だけでなく「続ける」ときにも効果を発揮します。
人は一貫性を持ちたがる生き物です。つまり、たとえば「ダイエットしている人間だ」ということをまわりに言ってしまい、そう認識してもらうのです。
「している」ということと「していない」ということは両立しないので、ダイエット「している」人としてまわりに認めてもらえば、その一貫性を保とうとしてダイエットを続けることができるでしょう。

何かを宣言し、その通り実行する。そうしたサイクルを続けていれば、いつしか「あの人はすぐに実行できる人だ」という認識が広まっていきます。

まずは、小さなことからでいいので、宣言して、実行してみましょう。

 

次の記事「「周りの目」を有効活用! 行動の理由も都度ふりかえってみよう。/すぐやる人になる100の方法(10)」はこちら。

 

 

佐々木 正悟(ささき しょうご)

心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。
1973年、北海道旭川市生まれ。1997年、獨協大学を卒業後、ドコモサービスで働く。
2001年、アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後の2004年、ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年、帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行っている。著書は、『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)、『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』(KADOKAWA)、ベストセラーとなったハックシリーズなど多数。


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『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』

(佐々木 正悟/KADOKAWA)

何をするにも「すぐやる人」と「腰が重い人」っていますよね。あなたはどちらでしょうか?仕事、勉強、トレーニングにスポーツ、ダイエットなど、私たちは自分自身がもつ「目標」のために日々何らかのタスクリストを作っています。しかし、なぜか「やりぬくことができない」と悩む人に知ってほしいのが、心理学的な分析に基づいた「行動理論」。「すぐやる人」「やりぬく人」になれる100の方法が、イラスト図解で端的にわかりやすく紹介されています!タスクに追われて溺れがちな現代人におくる、「すぐやれる自分」にアップデートするための最強取説です!

この記事は書籍『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』からの抜粋です
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