「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.長生きする猫の特徴は?
A.家猫の成長スピードは人間の5~6倍。環境によって30歳差がつくことも
猫の成長スピードは人間よりもずっと速く、5~6倍の速さで時間が過ぎていきます。
個体差はありますが、猫の1歳=人間の15歳。
1歳半=20歳、2歳=24歳と換算し、その後は1年で4歳ずつ歳をとります。
ただし、これは完全室内飼育で、定期的なケアもされている場合です。
そうじゃない外猫の場合は、8歳ずつ歳をとるといわれています。
同じ猫の10歳でも、室内飼育だと56歳、外猫ではなんと88歳!と30歳以上の開きがあります。
これは生活環境が過酷なほど老けやすいことを意味しますが、猫の寿命は環境によってずいぶん変わりますよね。
本書では猫の8歳~10歳を中年期、11歳(人間の60歳)以上をシニア(高齢猫)と定義しましたので、それぞれの年代に合わせたケアの参考にしてください。
ご長寿猫の飼い主さんにその秘訣をアンケート調査したところ、下のようなポイントが挙げられました。
読むとごくあたりまえのことですが、いかに実践するかが重要になりそうですね。
ぜひ毎日のケアの参考にしてください。
【ご長寿猫の飼い主さんに共通する7つのポイント】
1.栄養バランスのよいフードを与えている
2.毎日遊んだり、運動をさせている
3.できるだけ毎日、歯磨きをしている
4.便や尿の色、量の変化をチェックしている
5.体重をこまめに測っている
6.毎日ブラッシングをしたり、話しかけてコミュニケーションをとっている
7.毎日触ったりなでたりして、体の状態をつねにチェックしている
Q.なんで猫の寿命が長くなったの?
A.猫の寿命が延びたのは医療の進歩以上に飼い主さんたちのおかげ
猫の寿命が延びたのは、医療の進歩のおかげもあります。
ですが実際のところは、①室内飼育の増加、②フードの品質が画期的に向上、そして、③健康チェックや口腔内ケアなど、飼い主さんたちの知識や意欲が向上したことが大きな理由です。
決して最先端の医療や、がん治療のおかげだけではありません。
飼い主さんたちの努力が、猫の寿命を延ばしているのです。
30年以上の獣医師経験から見ると、元気な猫は高齢でも最後の最後まで若々しく健康でよく食べます。
「亡くなる直前まで元気だったね」と言われる猫たちです。
人間でいうところの「ピンピンコロリ」、つまり「病気に苦しまずに元気で長生きし、最後はコロリと死にたい」という理想は、猫にとっても同じです。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。