「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する最新の医療情報など、猫についての豆知識をご紹介します。
Q.「なんでそんなところで爪とぎするの~」
A.ズバリ、いまの場所が気に入らないから! マタタビの秘策があります
壁や家具、ソファなど、飼い主さんが望まない場所で爪とぎするのには理由があります。
ズバリ、爪とぎする環境が気に入っていないから。
叱っても効果はありません。
まずは爪とぎ器の設置場所や爪とぎ器を猫の好みに合わせてあげましょう。
爪とぎ器の種類はさまざまあり、段ボール、カーペット、木、麻などの素材や立ててとぐタイプと床に置いてとぐタイプがあります。
これまで使っていた爪とぎ器に猫が大好きなマタタビの粉やキャットニップ(猫が好きなにおいのハーブ)をふりかけるのもおすすめです。
飼い主さんが望まない壁や家具、ソファに爪とぎ器を貼りつけると、そこで行うようになるので意外に家具を傷つけずにすみます。
いずれにしても、適切な場所で爪とぎできるようになったら、たくさんほめてあげてくださいね。
Q.「そもそもどうして爪をとぐの?」
A.古くなった角質をはがすため。フェロモンを擦りつける意味もあります
猫が爪をとぐ理由をご存じですか?
理由は2つ、1つめの理由は爪をつねに鋭利な状態にしておくため。
猫の爪はタマネギのような層構造になっているので、とぐことで内側(手の平側)の古くなった層をひっかけて削り取り、新しい爪を露出させています。
2つめの理由は、マーキングです。
猫の肉球には皮脂腺があり、フェロモンが分泌されています。
爪をとぐことでにおいづけし、「ここは自分の場所だ」とアピールします。
先にお話ししたように、狩猟動物である猫にとって爪は大切な狩りの道具です。
たとえ家猫であっても爪とぎの習性は受け継がれているのです。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。