「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する最新の医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.何かしようとするとじゃまするのなんで?
A.こっちに注目?!の合図。いかにかまってあげるかが飼い主さんの腕の見せ所
広げた新聞や雑誌の上にのったり、パソコンで作業をしているとキーボードを勝手にたたいたり......飼い主さんが何かをしようとすると、猫がじゃまをしてくることがありますよね。
これは猫の愛情要求で、飼い主さんが別のものに注目しているのが気に入らない、「もっとこっちを見て!」という意思表示です(が、期待に応えて関心を向けるととたんに知らんぷりするのが猫......ですね)。
猫はときどきこのようにして、気まぐれに飼い主さんの愛情をほしがります。
鳴き声も同じこと。
ですが、いかにかまってあげるかは飼い主さんの腕の見せ所。
すべてに反応して、あれこれやってあげて愛情を注ぐのはあまりよいことではありません。
猫の要求に応えてなんでもやってあげる、のではなく、メリハリをもって猫に接し、ときには「無視をする」「やり過ごす」ということも大事です。
Q.猫のお願いを聞きすぎるのは問題あり?
A.愛情をかけすぎると問題行動につながるため。猫の健康も損ねます
猫の要求にすべて応えてはいけない理由は、甘やかしすぎると猫の「問題行動」につながるためです。
猫にとって鳴く、舐める、爪をとぐ、噛む、排泄する...は本能による行動ですが、ストレスなどによって過剰になることがあります。
大きな声で異常に鳴いたり、強い力でひっかいたり、噛んだり......そういった行動を「問題行動」と呼びます。
このストレスの原因の一つが「かまってもらえないこと」への不満です。
たとえば、つねに猫の要求に応え甘やかしすぎると、猫は「もっと、もっと」と愛情をほしがるようになります。
飼い主さんが外出しようとすると服を爪でつかんだり、つきまとったりします。
これは「分離不安」という状態です。
人を攻撃するだけでなく、毛づくろいの異常など、猫自身の健康も損ねることがあるのが心配なところ。
過度な「猫かわいがり」は禁物です。
多くは精神不安から起こる行動なので、深刻なようでしたら猫の精神科医のような専門家に相談することをおすすめします。
最近は問題行動を行動療法で治療する専門医もいます。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。