認知症の発生に深く関わる「睡眠」。脳のゴミを流すために「良い睡眠」を【認知症専門医の朝田先生が指南】

認知症予防のためには、発症前から適切な対策を講じることが重要です。日常生活で「認知症グレーゾーン」の兆候を早期に察知し、生活習慣を改善することが大切です。「わくわく」「ドキドキ」を感じる新習慣を取り入れ、セルフケアを継続することが推奨されています。楽しみながら予防を心がけましょう。

この記事は紙&WEBマガジン『毎日が発見』2024年8月号に掲載の情報です。

食事の新習慣:グレーゾーンからの回復に「地中海食」がイイ

生活習慣病の改善に最も有効なのが「食生活」の改善であることは広く知られていますが、中でも認知症に有効として世界が注目するのが「地中海食」で、世界保健機関(WHO)も推奨しています。

「地中海食とは、イタリア、ギリシャ、スペインなどの地中海沿岸の国々の人が食べている伝統的な料理のことで、オリーブオイルを使う、魚を多く食べる、などの特徴があります。このエリアの人は血中コレステロール値が低く、動脈硬化や脳血管障害などの疾患が少ないのが特徴。地中海食が認知症予防につながり、他の疾患を遠ざけるという研究結果もあるので、ぜひ真似してみましょう」

地中海食とは?
地中海沿岸に暮らす人が伝統的に食べている食文化のこと。ナチュラルチーズやヨーグルトを多くとり、野菜やフルーツをふんだんに食べ、食後血糖値の上昇度が低いパスタ等を主食としていることも特徴にあげられます。

認知症の発生に深く関わる「睡眠」。脳のゴミを流すために「良い睡眠」を【認知症専門医の朝田先生が指南】 2408_P010_1.jpg

地中海食ピラミッド
下層のものは毎日食べ、上層のものは控えめに摂取しましょう。

ポイント1・肉より魚

認知症の発生に深く関わる「睡眠」。脳のゴミを流すために「良い睡眠」を【認知症専門医の朝田先生が指南】 2408_P010_2.jpg牛や豚などの獣肉よりも、魚介類を使った料理が多いことも地中海食の特徴。マグロやカツオ、サバ、イワシ、サンマといった青魚にはオメガ3と呼ばれる不飽和脂肪酸(DHA、EPA)が多く含まれるので積極的に摂取を。肉を食べる際は脂を抜いてから食べましょう。

ポイント2・オリーブオイル

認知症の発生に深く関わる「睡眠」。脳のゴミを流すために「良い睡眠」を【認知症専門医の朝田先生が指南】 2408_P010_3.jpgオリーブオイルには不飽和脂肪酸であるオレイン酸が含まれ、オメガ3同様に認知症に対する効果が報告されているほか、悪玉コレステロール値の上昇を防ぐ効果なども期待できます。他の油に比べ酸化しにくく、加熱に強いため普段使いしやすいのもメリット。

ポイント3・飲むなら赤ワイン

認知症の発生に深く関わる「睡眠」。脳のゴミを流すために「良い睡眠」を【認知症専門医の朝田先生が指南】 2408_P010_4.jpg赤ワインに含まれるポリフェノールが、脳の神経細胞を守る上で効果的に働きます。ただし飲み過ぎ厳禁。1日1~2杯を目安に。

ポイント4・おやつやつまみにナッツ
ナッツ類にはオリーブオイルと同じオレイン酸が豊富に含まれ、また、抗酸化成分のポリフェノールも含まれているため、認知症の予防・改善に最適。おやつやつまみをナッツに替えるなどし、積極的に摂取しましょう。

 

<教えてくれた人>

認知症専門医
朝田 隆(あさだ・たかし)先生

筑波大学名誉教授、メモリークリニックお茶の水院長。アルツハイマー病を中心に認知症の基礎と臨床に携わる、脳機能画像診断の第一人者。全国の認知症患者人数を調べるなど、精力的に活動している。

2408_P011_5.jpg『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』

(朝田 隆/アスコム)

グレーゾーン(軽度認知障害)から健康的な脳に回復させるためのコツや取り入れるべき習慣を、実例とともに分かりやすく紹介した一冊。

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP