認知症の発生に深く関わる「睡眠」。脳のゴミを流すために「良い睡眠」を【認知症専門医の朝田先生が指南】

睡眠の新習慣:脳のゴミを流すために「良い睡眠」をとる

認知症に関する研究が進み、認知症や認知症グレーゾーンの発生には睡眠が深く関わっていることが分かってきました。

「まだすべてのメカニズムは明らかにされていませんが、睡眠時間を十分に確保することが、認知症の原因物質であるアミロイドβを効率よく排出するために必要なことが分かっています。アミロイドβは睡眠中に脳脊髄液によって脳の外に洗い流されるもの。眠りが浅かったり、不規則になったりすると排出のサイクルが狂い、脳に沈着しやすくなるので気を付けましょう」と朝田先生。

脳の機能を維持するために、深く良い睡眠をとるよう心がけてみましょう。

ポイント1・夜23時までに、毎日7時間寝る
認知症対策として理想の睡眠時間は7時間。6時間以下・8時間以上の睡眠は認知症リスクが高まるので注意しましょう。寝る時間も重要で、21~23時がベスト。夜更かしは認知症リスクを高めるのでやめましょう。

<理想の睡眠のための5つの心得>
(1)食事や飲酒は就寝の3時間前まで
(2)入浴は就寝の1~2時間前まで
(3)スマホ閲覧は就寝の1時間前まで
(4)枕の高さや寝具にこだわる
(5)できる限り22時までに布団に入る

認知症の発生に深く関わる「睡眠」。脳のゴミを流すために「良い睡眠」を【認知症専門医の朝田先生が指南】 2408_P011_1.jpg認知症の発生に深く関わる「睡眠」。脳のゴミを流すために「良い睡眠」を【認知症専門医の朝田先生が指南】 2408_P011_2.jpg

ポイント2・昼寝は午後3時までに、30分間以内で

認知症の発生に深く関わる「睡眠」。脳のゴミを流すために「良い睡眠」を【認知症専門医の朝田先生が指南】 2408_P011_3.jpg日中に軽い昼寝をすることが、認知症のリスク低下に役立つことも研究結果から分かってきました。夜の睡眠に影響しないよう、昼寝は15時まで・30分以内を心がけましょう。

COLUMN
新聞やテレビを見なくなったらグレーゾーンのサイン
これまで毎日のように見ていた新聞やテレビを見なくなった――これも認知症グレーゾーンのサインです。白内障など目そのものに問題があって、テレビ等を見なくなっている可能性もあるので、脳の検査とともに眼科での検査も行いましょう。

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睡眠時無呼吸症候群に注意!
日中、何度も眠気に襲われる人は、睡眠外来の受診を
日中、急な眠気に襲われる人は、睡眠時無呼吸症候群など危険な病にかかっている可能性も。認知症だけでなく心筋梗塞や脳梗塞など重大な病の引き金になるほか、突然死のリスクもあるので、気になったら睡眠外来を受診しましょう。

構成・取材・文/和栗 恵 イラスト/シュクヤフミコ

 

<教えてくれた人>

認知症専門医
朝田 隆(あさだ・たかし)先生

筑波大学名誉教授、メモリークリニックお茶の水院長。アルツハイマー病を中心に認知症の基礎と臨床に携わる、脳機能画像診断の第一人者。全国の認知症患者人数を調べるなど、精力的に活動している。

2408_P011_5.jpg『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』

(朝田 隆/アスコム)

グレーゾーン(軽度認知障害)から健康的な脳に回復させるためのコツや取り入れるべき習慣を、実例とともに分かりやすく紹介した一冊。

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