認知症を発症する前に。認知機能セルフチェックリスト【認知症専門医の朝田先生が解説】

認知症予防のためには、発症前から適切な対策を講じることが重要。日常生活で「認知症グレーゾーン」の兆候を早期に察知し、生活習慣を改善することが大切です。「わくわく」「ドキドキ」を感じる新習慣を取り入れ、セルフケアを継続することが推奨されています。楽しみながら予防を心がけましょう。

この記事は紙&WEBマガジン『毎日が発見』2024年8月号に掲載の情報です。

認知症を発症する前にできることから始めよう

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少子高齢化が進むとともに、増加の一途をたどっている認知症の患者数。

内閣府では2025年には約675万人(約5人に1人)が発症するという、怖い予測が立てられています。

「脳の認知機能は長い歳月をかけて衰えていきます。認知症を発症する前には認知症グレーゾーン(軽度認知障害)と呼ばれる状態に入り、さまざまな警告サインが見られるようになります。このサインにいち早く気付き、グレーゾーンの段階で適切に対処することで、健常な脳にUターンすることが可能です」と朝田先生。

物忘れが増えた、イライラしやすくなったなど『これまでの自分と違う』と感じるようになったら、それはグレーゾーンに入った可能性が高いといいます。

「老化現象だろうと安易に考えず、病院で診察を受け、生活習慣を改善しましょう。認知症は生活習慣病の一つ。早期発見・早期対応が回復の決め手ですよ」

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あなたの脳の状態は?

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日常生活に支障はないけれど「あれ?」「ちょっとおかしいかも?」と感じたら、下のセルフチェックで脳の状態を確認しましょう。

<認知機能をセルフチェック>
□やろうとしても「まあいいか」とやめてしまう
□人と会う約束を忘れたことがある
□同じことを繰り返し言ったり、尋ねたりする
□今何をしようとしていたか思い出せない
□段取りがヘタになった
□今日の日付が言えない
□長年の趣味が楽しめなくなった
□会計で小銭を使うのがめんどう
□外出が減った
□探し物が多い

このセルフチェックで3つ以上当てはまった人は「認知症グレーゾーン」の可能性大です!

<チェックが0~2個だった人は...>
脳が健康な状態を保っています。今後、認知症にならないために、紹介する新習慣を生活にプラスしてみましょう。

<グレーゾーンかも?な人は...>
まずは専門の医療機関で診断を受けましょう。また、紹介する新習慣を積極的に取り入れ、脳の改善をはかりましょう。

 

<教えてくれた人>

認知症専門医
朝田 隆(あさだ・たかし)先生

筑波大学名誉教授、メモリークリニックお茶の水院長。アルツハイマー病を中心に認知症の基礎と臨床に携わる、脳機能画像診断の第一人者。全国の認知症患者人数を調べるなど、精力的に活動している。

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