失った歯の代わりはどうする? 自分にあった義歯の選び方【和田淳一郎先生が解説】

高齢になると歯周病や虫歯で歯を失うリスクが高まります。失った歯の代わりに選ぶのはブリッジ、部分入れ歯、インプラントの3種類の義歯ですが、それぞれの特性をご存じですか? 今回は東京医科歯科大学 講師の和田淳一郎先生に選び方などのポイントをお聞きしました。

この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年2月号に掲載の情報です。

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義歯を選ぶときのポイント
・失った歯の数や状態、口の状態(これにより装着できる義歯が異なる)

+(プラス)

・身体的な負担(外科手術の要・不要など)
・費用(保険適用の可否)
・装着による異物感
・見た目

歯周病や虫歯により
義歯の種類が限られる

高齢になると、歯周病や虫歯によって歯を失う可能性が高くなります。

歯を1~2本失ったときに入れる義歯には、ブリッジ、部分入れ歯、インプラントの3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

どれを選んだらいいか迷う人も多いでしょう。

ですが、自分の好む義歯を誰もが入れられるとは限りません。

「失った歯の両隣の歯や、口の中の健康が維持されていれば、3種類の義歯から好きなものを選ぶことは可能です。しかし、失った歯の場所や、その両隣の歯の状態、つまり歯周病や虫歯の有無などにより選択肢が限られる場合もあります」と、和田淳一郎先生。

例えば、下あごの奥から2番目の歯を失ったとします。

「3種類の義歯のうち、ブリッジは失った歯の両隣の歯が健康であることが装着の条件となります。両隣の歯が歯周病や虫歯で弱っていると、ブリッジの支えとして使用することができないため、選択できません。この場合は、部分入れ歯、もしくはインプラントの2種類から選ぶこととなります」と、和田先生は説明します。

部分入れ歯は、金具を掛ける両隣の歯の負担がブリッジよりやや少なく、失った歯から離れたところにある歯に金具を掛けることもできるので、両隣の歯の状態に不安があっても選択できます。

ただし、金具を掛ける歯が増えると、部分入れ歯が大きくなり、装着した際の異物感も大きくなります。

一方、インプラントは両隣の歯に負担をかけずに装着可能です。

 

東京医科歯科大学  生体補綴歯科学分野  講師
和田淳一郎(わだ・じゅんいちろう)先生

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻口腔機能再構築学講座 生体補綴歯科学分野講師。歯学博士。2006年、東京医科歯科大学卒。同大病院回復系診療科義歯外来などを経て23年より現職。

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