失った歯の代わりはどうする? 自分にあった義歯の選び方【和田淳一郎先生が解説】

義歯の種類

<ブリッジ>

失った歯の代わりはどうする? 自分にあった義歯の選び方【和田淳一郎先生が解説】 2402_P071_03.jpg失った歯の両隣の歯を削り、橋渡しをするように義歯を固定します。部分入れ歯のような着脱は不要で、インプラントより治療は簡便。両隣の歯が歯周病や虫歯で弱っている場合は装着できません。

<部分入れ歯>

失った歯の代わりはどうする? 自分にあった義歯の選び方【和田淳一郎先生が解説】 2402_P071_02.jpg

失った歯の両隣の歯に金具を掛け、着脱可能な義歯を装着します。金具を掛ける歯をわずかに削る必要がありますが、ブリッジより両隣の歯への負担は軽くなります。抜歯した部分から離れた場所にある歯を支えとして使うことも可能。

<インプラント>

失った歯の代わりはどうする? 自分にあった義歯の選び方【和田淳一郎先生が解説】 2402_P071_01.jpg

抜歯した部分のあごの骨に手術によりチタン製人工歯根を埋め込み、その上に義歯を固定。両隣の歯の状態にかかわらず装着でき、天然歯とほぼ変わらぬ見た目と使用感。保険適用外のため高額で、あごの骨の状態によっては装着不可。

インプラントを装着したら
隣の歯もインプラントに

インプラントは、保険適用外のため高額ではありますが、見た目やかむ力は天然歯とほぼ同様で、人気の義歯です。

ブリッジが装着できない場合にも適用可能で、部分入れ歯のような異物感もないため、大人世代が生活の質(QOL)を維持していく上で頼りになる義歯ですが、安易に選択してはいけないそうです。

「仮に奥から2番目の歯を失ってインプラントを入れたとします。後にその隣の歯(奥から3番目の歯)を失ったとき、選べる義歯は原則としてインプラントのみです。ブリッジや部分入れ歯は、失った歯の両隣が天然歯なら装着できますが、その一方がインプラントで、もう一方が天然歯の場合は装着できないためです」と、和田先生。

つまり、1本インプラントを入れた後、その周囲の歯を失った場合、何本もインプラントを入れ続けなければいけない事態にも。

「ご自身の歯の状態をよく把握した上で義歯を選択するのが基本です。歯の状態や選択について迷うときには、義歯に詳しい日本補綴(ほてつ)歯科学会の専門医・認定医に相談すると良いと思います」と、和田先生はアドバイスしています。

インプラントは、周囲の歯の状態にかかわらず装着できるのが大きな魅力ですが、選択できないことも。

あごの骨に人工歯根を埋め込むため、抜歯した部分の骨の状態(量や質)が不良だと、装着できない場合があるそうです。

義歯には3つの種類がありますが、歯や口の状態、全身的な健康状態などを考慮して、適用できるかどうかをよく把握した上で、治療を受けることが大切といえます。

構成/岡田知子(BLOOM) 取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

東京医科歯科大学  生体補綴歯科学分野  講師
和田淳一郎(わだ・じゅんいちろう)先生

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻口腔機能再構築学講座 生体補綴歯科学分野講師。歯学博士。2006年、東京医科歯科大学卒。同大病院回復系診療科義歯外来などを経て23年より現職。

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