「血液をサラサラ」「熱を冷ます」レシピも! 体を目的別で強くする薬膳の常備菜を紹介

はっきりと原因が分からない不調を改善し、心と体を整えるのが東洋医学の基本。自分の体質を知った上で、ツボ押しや温め術を行ってみたり、食事に薬膳の知恵を加えてみたりして、健やかな心と体を手に入れてみませんか? 今回は料理家で国際中医薬膳師の齋藤菜々子(さいとう・ななこ)さんに、「薬膳の常備菜」を教えてもらいました。

【前回】加齢で眠りは浅くなる! 鍼灸師が教える「ツボ温め」で不眠を解消しよう

薬膳の知恵を活用した家庭料理で不調知らず

薬膳と聞くと、特別な料理と思われそうですが心配はご無用です。

「薬膳の大本にあるのは、そのときの自分の体に合うものを食べること。季節の変化や体調に合わせた食材を摂ることで、健康を維持できます」と、齋藤菜々子さん。

今回は食材が持つ薬膳の効能を6つに分けてご紹介。

日々の食事に活用してみてください。

6つの目的別 体を強くする「薬膳の常備菜」

体の悩みを、食材で解消

夏から秋にかけてよくみられる体の不調に合わせた食材選びのヒントをご紹介。

毎日の食事の参考にしてみましょう。

《力》疲れにくい体になる

暑さで疲れやすい人、だるくてやる気が出ない人に。エネルギーを補い、疲労による倦怠感を改善。

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【食材の例】鶏肉、豚肉、牛肉、サケ、さわら、まぐろ、豆腐、厚揚げ、長いも、じゃがいも、さつまいも、しめじ、まいたけ、枝豆、納豆、白米、もち米など

《温》体を温める

冷えた体を温めたいときに。冷え症の人や腹痛を起こしやすい人、寒さで体が冷たいときにも。

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【食材の例】鶏肉、サケ、まぐろ、えび、玉ねぎ、長ねぎ、かぼちゃ、しょうが、にんにく、にら、かぶ、とうがらし、くるみ、大葉、もち米、スパイス類など

《腸》快腸になる

便秘しやすい人、腸の巡りが良くない人に。季節の変わり目になると便秘になりやすい人にも。

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【食材の例】ごぼう、きのこ類、さつまいも、白菜、小松菜、オクラ、キャベツ、アボカド、ごま、牛乳、ヨーグルト、バター、こんにゃく、納豆など

《眠》不眠の改善

眠りが浅い、寝つきが悪い、寝てもすぐに目が覚めてしまうなどと感じることが1~2週間続くときに。

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【食材の例】春菊、あさり、ひじき、チンゲン菜、アーモンド、玄米、カモミール、ローズマリー、ラベンダー、ウーロン茶、紅茶、ジャスミン茶など

《冷》熱を冷ます

体にこもった熱を冷まします。吹き出物ができやすい人やほてりやすい人、寝つきが悪い人にも。

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【食材の例】トマト、きゅうり、なす、レタス、ズッキーニ、白菜、セロリ、冬瓜、もやし、わかめ、ひじき、緑豆春雨、豆腐、キウイ、はと麦など

《血》血流を良くする

肩こりや首こり、腰や背中の痛みがある、目の下にくまが出やすい、手足が冷える、疲れ目の人などに。

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【食材の例】いわし、さば、サケ、さんま、なす、にら、玉ねぎ、パセリ、チンゲン菜、らっきょう、ししとうがらし、みょうが、黒豆、黒米、酢、からし、桃など

《血》《冷》

熱がこもりがちな人は、トマト×玉ねぎで整える
ミニトマトと玉ねぎのマリネ

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50gあたり49kcal/塩分0.6g

冷蔵保存4〜5日

●効能
トマトには、体にこもった熱を冷ます作用があります。一方、玉ねぎは体を温める食材なので、冷やし過ぎを防止し、血流を改善します。

材料(作りやすい分量)
ミニトマト...25個(380g)
玉ねぎ...1/4個(25g)
パセリ...5g
(A)オリーブオイル...大さじ3
(A)酢...大さじ2
(A)砂糖...大さじ1/2
(A)塩...小さじ1
(A)粗びき黒こしょう...適量

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作り方
(1)ミニトマトはヘタを取り、ヘタの部分に十字に浅く切り込みを入れる。玉ねぎは薄切りにし、ボウルに(A)と合わせて混ぜておく。パセリはみじん切りにする。

(2)鍋に湯を中火で沸かしてミニトマトをゆで、皮に亀裂が入ったらすばやく氷水に取り、急冷する。皮をむき、水けを切る。

(3)ミニトマトとパセリを、(A)と玉ねぎを合わせたボウルに加えて和える。

アレンジ

ミニトマトと玉ねぎ、ツナのスパゲッティ

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1人分633kcal/塩分3.2g

材料と作り方(2人分)
(1)塩分1%の湯でスパゲッティ(160g)をゆでる(ゆで時間は、パッケージの表示時間に準じる)。

(2)フライパンにオリーブオイル大さじ3、にんにく(みじん切り)1片を入れて弱めの中火で熱し、ツナ缶1缶、「ミニトマトと玉ねぎのマリネ」(約200g)を加えて熱する。

(3)ミニトマトをへらで軽く崩し、スパゲッティとゆで汁(適量)を加えて和える。器に盛り、粗びき黒こしょう(適量)をふる。

《血》《冷》

なす×にらのダブル効果で血液サラサラに
なすの中華風にら甘酢和え

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50gあたり43kcal/塩分0.7g

冷蔵保存4〜5日

●効能
暑いと、汗をかいて水分が蒸発するため血液がドロドロに。血の巡りを良くするなすとにらで血流を改善。

材料(作りやすい分量)
なす...5本(400g)
にら...1/2束(50g)
(A)しょうが(すりおろし)...大さじ1
(A)しょうゆ...大さじ3
(A)酢...大さじ2
(A)水...大さじ2
(A)砂糖...大さじ1と1/2
(A)ごま油...大さじ1/2
白いりごま...大さじ1
サラダ油...大さじ2

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作り方
(1)なすはヘタを落として縦半分に切り、斜めに細かく切り込みを入れ、3~4等分に切る。にらは5mm幅に刻む。大きめのボウルに(A)を合わせておく。

(2)フライパンにサラダ油を強めの中火で熱し、なすを皮面から入れ、蓋をして3分蒸し焼きにする。なすを返し、再び蓋をしてさらに3分蒸し焼きにする。

(3) なす、白ごまを(A)のボウルに加えて和える。粗熱が取れたら、にらを加えてさっと混ぜる。

アレンジ

豚しゃぶとなすの中華風にら甘酢和え

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1人分212kcal/塩分1.6g

材料と作り方(2人分)
豚しゃぶしゃぶ肉(100g)をゆで、「なすの中華風にら甘酢和え」半量(約230g)を和える。

若さを保つには黒米、エリンギなどを
年齢を重ねると体の水分が減り、肌が乾燥する、髪のツヤがなくなる、唾液が出にくくなる、ほてりやすくなるなどの症状が現れます。黒米、エリンギ、かき、ぶり、ほたて、卵など、体に潤いを補う食材を積極的に摂るようにしましょう。

取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) 撮影/米山典子 イラスト/坂木浩子 

 

料理家、国際中医薬膳師
齋藤菜々子(さいとう・ななこ)さん

日本中医食養学会、日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師資格を取得。著書に『基本調味料で作る体にいい作りおき』(主婦と生活社)など。

この記事は『毎日が発見』2022年9月号に掲載の情報です。

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