肩こり・腰痛の「ツボ」をタイプ別に解説! 正しいツボの位置と押し方・温め方のポイントは?

はっきりと原因が分からない不調を改善し、心と体を整えるのが東洋医学の基本。自分の体質を知った上で、ツボ押しや温め術を行ってみたり、食事に薬膳の知恵を加えてみたりして、健やかな心と体を手に入れてみませんか? 今回は鍼灸師の中根 一さんに、「肩こりと腰痛のツボ」について教えてもらいました。

【前回】自分本来の体質は4つのタイプのうちどれ?東洋医学で心と体を整える

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【押し方のコツ】

肩こり・腰痛の「ツボ」をタイプ別に解説! 正しいツボの位置と押し方・温め方のポイントは? 2209_P012_03.jpg肩こり・腰痛の「ツボ」をタイプ別に解説! 正しいツボの位置と押し方・温め方のポイントは? 2209_P012_02.jpg

押す力と効果は無関係
ゆっくり、じんわり刺激

ツボを押すといっても、力任せに行うのは厳禁。

「とにかくリラックスして行うこと。部屋を少し暗くして、壁にもたれてボーッとしながら行うのがいいでしょう」と、中根さん。

ツボのあるエリアを押して気持ちいいなと思ったら、ゆっくり息を吐きながら、さらにじんわり押します。

ツボを温める場合は5分も行えば十分です。

《ツボ押し&温めのポイント》

強過ぎるともみ返しに
力の入れ過ぎはNG。ボールペンの後ろなどで押すと、筋繊維が断裂してもみ返しを起こすことも。

リラックスが大事
とにかくリラックスした状態で。ゆったりとした服に着替え、部屋の明かりは抑えめにして行いましょう。

じんわり温める
お灸や小豆枕は、じんわりと温めるのが◎。チリチリとした熱さや痛みを感じたらすぐ中止を。


慢性腰痛

肝虚タイプは

⇒志室/環跳

・志室は、横から垂直に押す
・環跳は、お灸や小豆枕などで温める

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【見つけ方】
志室
ウエストラインに手を当てます。親指が当たるところで、押すと気持ちよく感じるところ。

環跳
お尻のやや外側で、ぐっと力を入れるとくぼみができるところ。

肝虚の人に多い慢性腰痛
筋肉を緩めるケアを

中根さんによると、慢性的な腰痛は、圧倒的に肝虚タイプに多くみられるそうです。

「肝虚の人は元来休み下手で、ストレスをためやすいタイプ。そのせいで筋肉が過度に緊張しやすい傾向があります。前かがみで腰を伸ばすと気持ちがいい場合は、筋肉の緊張によるこりや痛みです。押すと気持ちがいいと感じる方は、ツボ押しをしたり、お灸などで温めることで腰痛が和らぐでしょう」

腎虚タイプは代謝が落ちやすく、体が硬いために腰に痛みを感じるケースが。

積極的に歩くなどして筋力の低下を防ぎましょう。

ぎっくり腰は押しちゃダメ
ぎっくり腰のような急性の腰痛や神経痛の場合、ツボ押しは厳禁です。動くとズキンとした痛みを感じたり、押すと痛い場合は、早めに整形外科などの医療機関で相談しましょう。


肩こり

肝虚タイプは

⇒飛陽

・ツボを押す
・お灸や小豆枕などで温める

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【見つけ方】
外くるぶしのへこんだところからアキレス腱に沿って指7本分くらい上がったところ。ふくらはぎの筋肉にあたるところ。

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片方のひざに反対側の足のふくらはぎをのせ、のせた足を前後に動かします。グリグリと当たって気持ちよく感じるところが飛陽。気持ちよい強さで行って。

肝虚、脾虚、腎虚
それぞれ原因が異なります

肩こりは3タイプの人によくみられると中根さん。

「肝虚タイプは、腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の緊張が原因。ひざが曲がっている人が多いでしょう。飛陽を刺激して筋肉の緊張を緩めるケアを。脾虚タイプは、肩を触ると柔らか
いのに本人はこっていると感じます。リンパの流れが悪いために起こるので、足三里を刺激して流れを良くしてください。腎虚タイプはカチコチの肩こり。筋肉の老化が原因です。復溜を刺激する他、柔軟性を失った筋肉を伸ばすのもいいです」

いずれも自分で押せる部位なので、心地よく刺激を与えましょう。

おなかに横じわがある人は"猫背"です
おへその上あたりに横じわが入っている人は、猫背のせいで肩こりが起こっている可能性が。ストレッチポール(丸めたバスタオルやタオルケットでも可)の上に背骨と頭をのせて仰向けになり、胸を開くようにして猫背を改善しましょう。


脾虚タイプは
⇒足三里

・ツボを押す
・お灸や小豆枕などで温める

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【見つけ方】
ひざのお皿のいちばん下から指4本分下。スネのすぐ外側のくぼんだところ。

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+これもプラス
腕回しも効果的
脾虚タイプの人はリンパの流れが滞りやすいので、大きく腕回しをしたり、ラジオ体操を習慣にすると肩こり改善に効果的。むくみの解消にも◎。


腎虚タイプは
⇒復溜

・ツボを押す
・お灸や小豆枕などで温める

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【見つけ方】
内くるぶしからアキレス腱のキワに沿って、指3本分ほど上がったところ。


取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) 撮影/西山輝彦 イラスト/坂木浩子 モデル/石井香也子(SPLASH) 

 

鍼灸師
中根 一(なかね・はじめ)さん

「鍼灸Meridian烏丸」代表、明治国際医療大学客員教授、経絡治療学会理事。『寝てもとれない疲れをとる本』(文響社、のちPHP文庫)、『図解 すぐ眠れる!すごいツボ押し』(ビジネス社)など著書多数。

 

この記事は『毎日が発見』2022年9月号に掲載の情報です。

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