自分本来の体質は4つのタイプのうちどれ? 東洋医学で心と体を整える

はっきりと原因が分からない不調を改善し、心と体を整えるのが東洋医学の基本。自分の体質を知った上で、ツボ押しや温め術を行ってみたり、食事に薬膳の知恵を加えてみたりして、健やかな心と体を手に入れてみませんか? 

今回は鍼灸師の中根 一さんに、「4つの体のタイプ」について教えてもらいました。

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自分の体を知ることが大切なのじゃ

体質別ツボケアと毎日の薬膳で不調を予防

肩こりや腰痛、不眠、冷えなど、はっきりと原因が分からない不調を改善し、心と体を整えるのが東洋医学の基本です。

「東洋医学では、自分の体の特性を知り、それに応じた対処をすることで体の調子を整えます。ツボを刺激する場合も、自分の体質を知っておくことが役に立ちます」と、中根一さん。

肩こりや腰痛、熟睡できないなどのお悩みを抱えている方は、自分の体質を知った上でツボ押し&温め術を行ってみましょう。

冷え症などの体質改善には、食事に薬膳の知恵を加えてみるのがおすすめです。

「薬膳の目的は、病気にならないように日々の食事で元気な体を保ちましょうというシンプルなものです。特別な食材や調味料は必要ありません。おいしく食べることがいちばんです」(齋藤菜々子さん)

ツボ養生と薬膳の知識を取り入れて、病気を寄せつけない健やかな心と体を手に入れましょう。

自分の体質は以下の4つのタイプのどれに当てはまる?

肝虚タイプ

(体の冷え方)足だけ冷える。手には汗をかく、ホットフラッシュ
(その他の症状)肩こり、慢性腰痛、側頭部の痛みなど
(体調を整えるには)リラックスを心がける

脾虚タイプ

(体の冷え方)手足が冷える
(その他の症状)胃腸が弱い、朝からむくむ、食後の眠気や胃重、雨の日に体が重だるいなど
(体調を整えるには)消化の良いものを食べる

肺虚タイプ

(体の冷え方)背中から二の腕が冷える
(その他の症状)猫背、胸板が薄い、風邪をひきやすいなど
(体調を整えるには)首や肩周りのマッサージをする。深い呼吸をする

腎虚タイプ

(体の冷え方)足腰(太ももあたり)が冷える
(その他の症状)老化を感じる、疲れやすい、体力の低下
(体調を整えるには)ストレッチなどで体をほぐす。腰を温める

不調の原因から整え本来の体質を取り戻す

「いくつになっても自分らしくあるために必要なことは、自分本来の体質に戻してあげることです」と、中根さん。

体質とは、「筋肉質」「おなかが弱い」「手足が長い」など、生まれながらにして持っている自分の特性に、生活習慣や環境が掛け合わさったものを指します。

今回は、大人世代に多い4つのタイプに注目。

体質は、生活環境によって変化することもあれば、複数のタイプが混ざることもあります。

また、どのタイプの方も、加齢によって徐々に「腎虚」タイプの傾向が強くなっていくことも覚えておきましょう。

「肩こりや慢性腰痛、不眠などに対してツボでケアをする際は、ご自身が本来持っている体質によって刺激する部位が異なります。自分の体質を知っておくことで、より効果的なケアができるようになります」(中根さん)

東洋医学的な考え方では、症状を「体の偏り」と捉えます。

「不調に対して、病気に進行する前に対処するのが東洋医学です。自分本来の体質を知った上で、不調を引き起こす原因を見直し、体の偏りを整えていくことに努めれば、生活全体の質が上がります」(中根さん)

取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) 撮影/西山輝彦、米山典子 イラスト/坂木浩子 モデル/石井香也子(SPLASH) 

 

鍼灸師
中根 一(なかね・はじめ)さん

「鍼灸Meridian烏丸」代表、明治国際医療大学客員教授、経絡治療学会理事。『寝てもとれない疲れをとる本』(文響社、のちPHP文庫)、『図解 すぐ眠れる!すごいツボ押し』
(ビジネス社)など著書多数。

 

料理家、国際中医薬膳師
齋藤菜々子(さいとう・ななこ)さん

日本中医食養学会、日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師資格を取得。著書に『基本調味料で作る体にいい作りおき』(主婦と生活社)など。

この記事は『毎日が発見』2022年9月号に掲載の情報です。

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