加齢で眠りは浅くなる! 鍼灸師が教える「ツボ温め」で不眠を解消しよう

はっきりと原因が分からない不調を改善し、心と体を整えるのが東洋医学の基本。自分の体質を知った上で、ツボ押しや温め術を行ってみたり、食事に薬膳の知恵を加えてみたりして、健やかな心と体を手に入れてみませんか? 今回は鍼灸師の中根 一さんに、「不眠のツボ」について教えてもらいました。

【前回】肩こり・腰痛に効く「ツボ」をタイプ別に解説!正しいツボの位置と押し方


不眠

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肝虚/脾虚/肺虚/腎虚タイプに

⇒太渓(たいけい)

・お灸や小豆枕などで 温める

【見つけ方】
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼんだところ。

+これもプラス
呼吸を深くして眠りやすくする肺兪(はいゆ)ケア

普段からなかなか眠りにつきにくい人は、腰を温めたり、肺兪(背骨と肩甲骨の中間、肩甲骨の真ん中の高さにあるツボ)を刺激して呼吸を深くするのがおすすめです。体を動かして呼吸をしやすくすることで、眠りにつきやすくなります。

おすすめは
・腕を振ってウォーキング ・山登り ・半身浴 ・ヨガやピラティス

加齢で眠りは浅くなる
ツボを温めて眠りやすく

年齢を重ねると腎臓への血流が少なくなり、腎臓で行うはずのミネラル分の摂取がうまくいかず、体内で酸化が進んで疲れやすくなります。

すると、眠りの質も落ちていくと中根さん。

「若い頃に比べて眠りにくくなるのは普通のことです。中でも、肝虚タイプは寝つきが悪くなる人が多め。腎虚タイプは、夜中に目が覚める人や必要以上に早く目が覚める人が多いようです。寝る前にツボを温めると、眠りの質が高まります。万が一眠れないときは、眠くなったら寝ようと気楽に考え、昼寝をするなど体の声に耳を傾けましょう」

眠れないときにツボは押さない
自分でツボを押すと、交感神経が優位になり、どんどん目がさえてしまいます。眠れないときにはお灸や小豆枕などで温めるのが正解。家族などにツボを押してもらうのはOK 。


不眠

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肝虚/脾虚/肺虚/腎虚タイプに

⇒腎兪(じんゆ)

・お灸や小豆枕などで温める

お灸を使う場合は、2人で行いましょう。腎兪を気持ちよい強さで押してもらった後にお灸をするとさらに効果がアップ。

【見つけ方】
ウエストのいちばんくびれた部分の背骨の両脇。押すと気持ちよく感じるところ。

「ツボ温め」にはお灸、小豆枕がおすすめ

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寝る前やリラックスしたいときには、ツボを温めるのがおすすめ。初めてお灸を使う場合は、やさしい温熱のものを選びましょう。火を付けて貼るだけのものや火を使わないものなど、種類も豊富です。電子レンジで加熱して温める小豆枕(※)も手軽です。

熟睡には横向き寝がおすすめ

東洋医学では、布団に入った際は仰向けで足を伸ばし、寝入りばなに足を曲げて横向きで寝るべきとの伝えが。「抱き枕やクッションを抱いて横向きで寝ると、胸が圧迫されにくく眠りやすくなります」(中根さん)

※小豆枕は、ドラッグストアやネットスーパーなどで購入できます。


取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) 撮影/西山輝彦 イラスト/坂木浩子 モデル/石井香也子(SPLASH) 

 

鍼灸師
中根 一(なかね・はじめ)さん

「鍼灸Meridian烏丸」代表、明治国際医療大学客員教授、経絡治療学会理事。『寝てもとれない疲れをとる本』(文響社、のちPHP文庫)、『図解 すぐ眠れる!すごいツボ押し』(ビジネス社)など著書多数。 

この記事は『毎日が発見』2022年9月号に掲載の情報です。

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