「最近、人の声が聞き取りづらくて・・・」その悩み、加齢によるものとあきらめていませんか? 実は、耳が遠くなるのは年を取った証拠ではないそうです。そこで、「難聴は治らないものではない」と言う聴力回復のエキスパート・今野清志さんの著書『耳は1分でよくなる!』(自由国民社)から、難聴の仕組みと薬も手術もいらない耳がよくなるトレーニング法を連載形式でお届けします。
頭皮マッサージで脳と耳の機能アップ
頭には、耳によいツボが数多くあります。
なかでも、左右の耳の上端を結んだ、真ん中にある「百会(ひゃくえ)」は、自律神経のバランスを整えるのに効果的なツボです。
気づいたときに、こまめに押すようにするといいでしょう。
また、ツボだけでなく、頭皮をまんべんなくマッサージすると、頭を通る多くの経絡を刺激でき、内臓の活性化につながります。
毛先がとがっていないヘアブラシがあれば、トントンと頭皮を叩くのもいいでしょう。
頭のマッサージやブラシでのタッピングは、経絡への刺激だけでなく、頭の血行を促しますから、耳まわりの細胞に酸素が届きます。
さらに、脳への血流もアップするので、自律神経を司る、視床下部の働きが改善されるのです。
1回の目安として、1分くらい行ってください。
気づいたらリンパの流れも促そう
最後にもう一つ、経絡の流れとあわせて、リンパ液の流れも促す方法をご紹介しましょう。
内耳の蝸牛の中は、リンパ液で満たされています。
自律神経の乱れなどの、何らかの理由で、このリンパ液の出し入れのバランスが崩れると、蝸牛が正常な機能を維持できなくなり、聞こえが悪くなることがあります。
そのため、全身のリンパの流れを促すことも、難聴改善の一つであると考えられるのです。
まず、握りこぶしをつくり、腕と足を優しくタッピングしましょう。
タッピングは、腕と足の先から、体の中心に向かって行うと、リンパの流れを促すことができます。
腕、足、ともに表と裏、両方行ってください。
トントンと叩く以外に、腕と足の先から、体の中心に向かってもみほぐす方法もいいでしょう。
このとき、耳の健康に大きな影響を及ぼす、膀胱の経絡上にある、次の4つのツボを意識して押すようにしてください。
1、承山(しょうざん)
ふくらはぎの中心線上で、アキレス腱が筋肉に変わったところにあるツボです。
2、委中(いちゅう)
ひざの裏の横シワの少し下にあるツボです。
3、殷門(いんもん)
ひざの裏の横シワと、お尻と太ももの境目を結んだ線の、中央にあるツボです。
4、承扶(しょうふ)
お尻と太ももの境目のシワ、中央にあるツボです。
お尻を持ち上げるように押すと、骨に当たる位置にあります。
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