夏~秋に多い「体の不調」を食材で解消! 「薬膳の常備菜」レシピ4選

はっきりと原因が分からない不調を改善し、心と体を整えるのが東洋医学の基本。自分の体質を知った上で、ツボ押しや温め術を行ってみたり、食事に薬膳の知恵を加えてみたりして、健やかな心と体を手に入れてみませんか? 今回は料理家で国際中医薬膳師の齋藤菜々子(さいとう・ななこ)さんに、「薬膳の常備菜」を教えてもらいました。

※記事中にある保存期間は目安です。保存状態などにより異なる場合もありますのでご注意ください。

【前回】「血液をサラサラ」「熱を冷ます」レシピも! 体を目的別で強くする薬膳の常備菜を紹介

《力》《温》

エネルギーを補う長いもで疲れ知らずに
ベーコンと長いも、きのこのガーリック炒め

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50gあたり50kcal/塩分0.3g

冷蔵保存2〜3日

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●効能
発汗による水分不足や不眠などで体調を崩しやすい夏は、エネルギーを補う長いもを。疲労によるだるさを改善。

材料(作りやすい分量)
長いも...250g
しめじ...1株(150g)
にんにく...2片
ベーコン...2枚(30g)
オリーブオイル...大さじ1
塩...小さじ1/3
粗びき黒こしょう...適量

作り方
(1)長いもはひげ根を除き、皮つきのまま一口大の乱切りにする。しめじは石づきを落としてほぐす。にんにくはみじん切りにする。ベーコンは1cm幅に切る。

(2)フライパンにオリーブオイル、ベーコン、にんにくを中火で熱し、香りが出てきたら長いも、しめじを加えて炒める。油が回ったら、蓋をして弱めの中火で5分加熱する。

(3)塩、粗びき黒こしょうを加えて炒める。

アレンジ

ベーコンと長いも、きのこのガーリック風トースト

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1人分289kcal/塩分1.5g

材料と作り方(1人分)
(1)「ベーコンと長いも、きのこのガーリック炒め」1/4量(約100g)をフォークで粗く潰して食パン(1枚)にのせ、マヨネーズ(適量)をかける。

(2)トースターで焼く。

自家製梅干しで夏バテ知らず

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夏は発汗量が増えて水分を失いやすいので、体液を作る梅が大活躍。齋藤さんは、自家製梅干し(写真)をそのまま食べる他、たたいて調味料にも。ただし、梅干しは塩分が多いので1日1個まで。

《温》

かぼちゃ×しょうがで冷えを改善
かぼちゃのしょうが煮

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50gあたり31kcal/塩分0.2g

冷蔵保存4〜5日

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●効能
冷たいものを多く摂る夏は消化機能が低下しがち。体を温める作用のあるかぼちゃ×しょうがで、夏冷えを解消。

材料(作りやすい分量)
かぼちゃ...1/4個(400g)
しょうが...3かけ
(A)水...100ml
(A)酒...大さじ1
(A)みりん...大さじ1
(A)しょうゆ...小さじ2
(A)砂糖...小さじ1

作り方
(1)かぼちゃは種とわたを除き、3~4cm大に切り、皮をところどころむく。しょうがはせん切りにする。

(2)大きめの耐熱ボウルに(A)を混ぜておく。

(3)(2) のボウルにかぼちゃの皮面を下にして入れ、その上にしょうがをのせ、ふんわりラップをして600Wの電子レンジで4分加熱する。さっと混ぜて再び皮面を下にし、同様に3分加熱する。そのまま粗熱を取る。

【アレンジのヒント】
マッシュサラダ風に。粗く潰して、ハムや玉ねぎなどと混ぜ、マヨネーズで味を調える。

《腸》

きのこ、ごぼうでおなかの調子を整える
ごぼうときのこのきんぴら

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50gあたり44kcal/塩分0.4g

冷蔵保存3〜4日

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●効能
9月頃からは体が乾燥して便秘が増えやすくなる季節。ごぼう、えのき、まいたけで腸の巡りを良くします。

材料(作りやすい分量)
ごぼう...1/2本(100g)
えのきたけ...1株
まいたけ...1株(120g) 
(A)しょうゆ...大さじ1
(A)みりん...大さじ1
(A)酒...大さじ1 
(A)砂糖...小さじ1
ごま油...大さじ1
赤とうがらし(輪切り)...1本分
白いりごま...大さじ1

作り方
(1)ごぼうは皮をむき、斜め薄切りに。えのきたけは石づきを落として長さを3等分にしてほぐす。まいたけは食べやすい大きさにほぐす。(A)を合わせておく。

(2)フライパンにごま油を中火で熱し、ごぼう、えのきたけ、まいたけ、とうがらしを加えて炒める。しんなりしたら、(A)を加えて炒める。水けがなくなったら白ごまを加えて混ぜる。

【アレンジのヒント】
炊き込みご飯の具材に。鶏肉や白米とともにだし汁で炊くとおいしい。

《眠》

春菊で眠りの質をアップ
春菊とちくわの梅みそ和え

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50gあたり24kcal/塩分0.9g

冷蔵保存3〜4日

夏~秋に多い「体の不調」を食材で解消! 「薬膳の常備菜」レシピ4選 P022-23_07_W500.jpg夏~秋に多い「体の不調」を食材で解消! 「薬膳の常備菜」レシピ4選 P022-23_08_W500.jpg

●効能
不眠の改善には、春菊がおすすめ。発汗量が増える夏は、体液を作る梅干しと合わせるとより効果がアップ。

材料(作りやすい分量)
春菊...2束(300g)
ちくわ...2本
梅干し(塩分8%)...2個(30g)
(A)みそ...大さじ1と1/2
(A)水...大さじ1
(A)砂糖...大さじ1/2

作り方
(1)鍋に湯を中火で沸かし、塩適量(分量外)を加え、春菊を茎、葉の順に入れてしんなりするまで2分ほどゆでる。冷水に取って、水けをよく絞り、長さを4等分にする。茎が太いものは縦半分に切る。ちくわは縦半分に切り、斜め薄切りにする。

(2)梅干しは種を除いてたたき、ボウルに入れて(A)と混ぜておく。(1)を加えて和える。

【アレンジのヒント】
汁物の具材に。お好みのだし汁でさっと煮て、塩やしょうゆで味を調える。

取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) 撮影/米山典子 

 

料理家、国際中医薬膳師
齋藤菜々子(さいとう・ななこ)さん

日本中医食養学会、日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師資格を取得。著書に『基本調味料で作る体にいい作りおき』(主婦と生活社)など。

この記事は『毎日が発見』2022年9月号に掲載の情報です。

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