高血圧予防のポイントは「正しい姿勢」? 整形外科医が実践している「血圧を下げる方法」とは

命に関わるさまざまな病気を引き起こす高血圧。国内に4300万人はいると推計される一方、対策が続かなかったり放置したりしている人は3100万人。そこで10人の名医が本気ですすめる、最新の高血圧を治す方法をご紹介。今回は清水整形外科クリニック院長の清水伸一(しみず・しんいち)先生が実践している「血圧を下げる方法」を教えてもらいました。

【前回】高血圧診療のプロが続けている「血圧を下げる方法」。手軽に取り入れられる食事や運動とは

整形外科医の視点で高血圧に警鐘を鳴らす

清水伸一先生

「悪い姿勢は血圧不良を招きます」

実は高血圧でした

35年前の血圧は150/90mmHg。ある日頭痛を覚え、診察してもらったところ、脳出血があり、そのまま手術・入院することに。当時は大学病院勤務で泊まり込みも多く、食事も生活も睡眠も全く気を使っていませんでした。よく食べていたのはカップラーメンやから揚げ。その後は食事や運動はもちろん、体重は毎日、血圧は週1回測定するなど注意しています。

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[食事]
「まごわやさしいな」の和食が中心です

コンビニ弁当など、糖質、塩分、添加物の入っているものは食べないようにしています。お菓子やジュースも摂りません。お菓子はあると食べてしまうので、買わないようにし、家に置いていません。日々の食事は玄米と、「まごわやさしいな」の和食で、豆、ごま、わかめなどの海藻、野菜、魚(特に青魚)、しいたけなどのきのこ、いも類、納豆が中心。オメガ3系脂肪酸「α-リノレン酸」が豊富なしそ油などを垂らしたりも。

[運動]
歩くことを心がけときどき深呼吸を

自宅から病院まで往復30分、歩くようにしています。歩くことは運動の第一の基本。赤信号で止まったときは胸を開いて深呼吸し、体に酸素を取り込むと、血流が良くなり、筋肉にも酸素が行き渡ります。運動は、毎日歯を磨くように習慣として生活に定着させることが大事。ウォーキングやストレッチなど毎日簡単にできるものを。

[予防のポイント]
姿勢を正して足の血流の改善を

パソコンやスマートフォンを使う現代人は姿勢が悪いです。前屈みの姿勢だと心臓や肺が圧迫され、供給する血液が減るため、血圧が高くなってしまいます。「第二の心臓」といわれる足を鍛えることも大事。冷えや運動不足による足の血流の悪化は、動脈硬化につながります。お風呂の中でふくらはぎをほぐしたり、スクワットをしたりしましょう。血圧は全身の病につながるバロメーター。食事、睡眠、運動などを改善し、薬に頼り過ぎないことが大切です。

《私も実践しています》
いつでもどこでもできるゴルフボール押圧

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全身のツボが集まっているといわれる足の裏を刺激して、血流を促します。用意するのはゴルフボール1個だけ。いすに座り、硬い床に置いたゴルフボールを足の裏で前後左右、円を描くように片足1分ずつ、計2分ほど動かします。テレビを見ながらなど、いつでも簡単に行うことができます。

取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/鈴木衣津子

 

<教えてくれた人>

清水整形外科クリニック院長
清水伸一(しみず・しんいち)先生
埼玉医科大学卒業。茨城県立中央病院、東京都社会保険中央総合病院、埼玉医科大学総合医療センターなどを経て、同センター整形外科医局長、講師を歴任。2006年より現職。日本整形外科学会専門医。

この記事は『毎日が発見』2022年2月号に掲載の情報です。
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