長年悩まされている「肩こり」はありませんか? それは「肩甲骨のむくみ」が隠れているかもしれません。東京医科大学 整形外科准教授の遠藤健司(えんどう・けんじ)先生に「肩甲骨のむくみをチェックする方法」や「肩周りのむくみをゆるめる体操」について教えてもらいました。
あれもこれも肩こりのせいかも?
●頭痛
肩周りの筋肉の過度な緊張が頭痛を引き起こすことも。
●めまい
ふわふわとするめまいの原因の一つは肩こりです。
●眠れない
肩こりによって交感神経が活発に働き過ぎると不眠に。
●うつ>
首周りの筋肉の異常が原因でうつを引き起こすことも。
長年続くつらい肩こりはファシアのむくみのせい?
「肩がだるい、重い」「もんでも、たたいてもラクにならない」。
そんな肩こりにお困りの方は少なくないでしょう。
「実は、頭痛やめまい、不眠、抑うつ、冷え性などの不調も、肩こりが原因のケースは珍しくありません。つらい肩こりを解消するには、原因を知り、正しくアプローチすることが大切です」と、遠藤健司先生。
実は近年の研究で、肩こりの新たな原因が明らかになってきたと遠藤先生。
「最近、ファシアという組織が注目されています。これは、臓器や筋肉などを覆う、全身に張りめぐらされた〝ゆるゆる〟な組織。このファシアが、体を滑らかに動かすために重要な役割を果たしているのです。しかし、このファシアがむくむと、こりや痛みを引き起こします。肩こり解消には、肩甲骨につながるファシアのむくみをとって、本来のゆるさを取り戻す必要があります」。
まずは下の方法で肩甲骨のファシアをチェックしてみましょう。
【ファシアってなに?】
内臓や骨、血管、筋肉などをくまなく覆う組織のこと。体をスムーズに動かせるのはファシアのおかげです。
腕はどこまで上がる?
肩甲骨のむくみをチェック
①壁に背中をつけて立ち、腕を肩の位置に上げる
腕は壁につけたまま上げていく
②痛みを感じないところまで腕を上げていく
この角度が...
〈60度以上〉
肩甲骨のファシアはしっかり動いています。
〈45~60度〉
肩甲骨のファシアの動きがやや悪くなっています。
〈45度未満〉
肩甲骨のファシアがパンパンにむくんでいます。