「歩く、お風呂、ストレッチ」でグッスリ・・・♪ 漢方のプロが教えたい「体を守る睡眠のルール」

頭痛や腹痛などのちょっとした体の不調。病院に行くほどでもないものの、どうにかしたいですよね?こうした不調は、「自分の体に合った食べものを摂ればだんだんと改善される」と漢方薬剤師の杉山卓也さんは言います。そこで、東洋医学に精通する杉山さんの著書『不調が消える食べもの事典』(あさ出版)から、食べもので健康をキープする「食養生」の始め方と「旬食材の効能」の一部をお届けします。

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【登場人物】

よう子:20代の会社員。デスクワークの毎日で、体の不調に悩む女性。冷え性や頭痛などを根本的に治したいけれど、どうすればいいのかわからない。

タクヤ先生:神奈川県にある漢方薬局の薬剤師。相談に来られる方へ漢方薬の処方だけでなく、食生活のアドバイスもしている。


ある日、よう子さんは友人とランチをしていました。そこで自分の体調のことを話していると、友人に予約制の漢方薬局を勧められました。後日、よう子さんは、ドキドキしながら紹介された漢方薬局を訪れました。


【第8回】食事以外のことも整えると食養生の価値や高価が高まる

タクヤ先生 今日は最終日ですね。この1週間で、よう子さんの生活は何か変わりましたか?

よう子 はい。朝ごはんを食べるようになりました。それに、お昼ご飯までにお腹が空いても我慢せずにナッツなどの間食を挟んでいます。

タクヤ先生 いい変化ですね。特に、朝ごはんは大きな良い変化です。生活面はどうですか?

よう子 体内時計について学んだので、夜ふかしはしないようにしています。ただ、寝付けずにいつもの時間に寝られないときがありました。

タクヤ先生 寝付かなかった原因は何だと思いますか?悩み事があったとかでしょうか?

よう子 それが、特に思い浮かぶ理由がないんです。

タクヤ先生 うーん。寝付けないことは今までありましたか?

よう子 そうですね。頻繁ではないですが、たまにありました。仕事が忙しくて、帰ったときにはクタクタなんですが、そういうときに限って寝付けなくて......

タクヤ先生 なるほど。そういうことですか。

よう子 え、原因がわかるんですか?

タクヤ先生 おそらく、忙しすぎて体が覚醒してしまっているんです。体は疲れて休みたいのに、リラックスできていないから目が冴えて寝付けないのかもしれないですね。

よう子 たしかに、夜更かしはいけないと思って、帰ってからもバタバタしています。

タクヤ先生 そうだとすると、"早く寝ないといけない"と思うことがストレスにもなっているかもしれないですね。ストレスは養生の大敵です。寝付けないことが続くと、逆に健康を損なってしまうので、早く寝ることを強要しないほうがいいですね。

よう子 そうか、知らないうちに義務になっていたんですね。養生をするうえで心がけたいことにもありましたね。"しなくてはいけない"という気持ちでしないこと。

タクヤ先生 そうです。意識してリラックスすることが大切です。

タクヤ先生 養生には食養生と生活養生がありましたね。

よう子 生活養生は、健康になるための生活の仕方ですね。

タクヤ先生 はい。生活養生では、睡眠がとても大切です。そこで、今日は睡眠の取り方とより質の良い睡眠を取るための日中の過ごし方についてお話します。

よう子 はい、ぜひお願いします。

タクヤ先生 まず、①遅くとも日が変わる前には就寝すること、②睡眠時間は7時間を目安にすること、③最優先にすることです。睡眠は何よりも健康にとって大切なのです。きちんとした食事を摂るために睡眠を削るのはもってのほかです。睡眠を最優先にしましょう。

よう子 睡眠ってとても大切なんですね。

タクヤ先生 そうなんです。より質の良い睡眠を取るために、日中にできる生活養生があります。①毎日、合計30分程度歩くこと、②湯船に張った40度程度の湯にゆっくり浸かること。これは長時間でなく10分程度でOKです。③寝る前は軽いストレッチで体をほぐすこと。

よう子 どれも難しくないですね。

タクヤ先生 はい。日中は体を動かし、寝る前には体をリラックスさせることが大切です。

よう子 なるほど。寝る前にストレッチをすることからはじめてみようかな。

タクヤ先生 いい心がけです。一度に全部は難しいですし、仕事が忙しいとできないときもあるので、少しずつできる範囲で養生するのがいちばんです。少しずつでも養生することで、体内時計のリズムが整って、食事の時間になると、空腹をしっかり感じられるようになりますよ。

よう子 体を動かしたらお腹が空いてきますもんね。

タクヤ先生 そうです。食べるものだけに注意して"食養生"とするのではなく、生活習慣を見直してて"生活養生"も行うことで、食養生の価値と効果が高まってより健康的になれますよ。

タクヤ先生 よう子さん、養生法についてわかっていただけましたか?

よう子 はい。無理せず、バランスを大切にして、食と生活を整える養生って難しそうと思っていましたが、タクヤ先生のお話を聞いたことで、できることからやりたいと思います。ありがとうございます。

タクヤ先生 それはよかったです。食養生と生活養生の基本は、"継続すること"と"無理をしないこと"ですからね。ストレスを溜めないように無理せず取り組んでみてください

よう子 はい。ありがとうございました。


7日間で養生を学んだよう子さんは、無理をしない程度に日々の生活に養生を取り入れていました。

すると、今まであんなにつらかった頭痛や生理痛が和らぎ、生理期間中に会社を休むこともなくなりました。

養生することで、よう子さんは健康的な毎日を手に入れたのです。

【最初から読む】漢方のスペシャリストが教える「食養生の始め方」

【まとめ読み】「不調が消える食べもの事典」記事リスト

「歩く、お風呂、ストレッチ」でグッスリ・・・♪ 漢方のプロが教えたい「体を守る睡眠のルール」 125-h1-tabemono.jpg野菜、果物、魚介、肉!食べもの80種類+生薬10種類の効能と食べ方がわかります。不調が起きるメカニズムも

 

杉山卓也(すぎやま・たくや)

漢方薬剤師、漢方アドバイザー、神奈川中医薬研究会会長、星薬科大学非常勤講師。神奈川県にある「漢方のスギヤマ薬局」にて予約制の健康相談を受けるかたわら、中医学講師として全国でセミナーを開催。漢方薬局経営者向けのコンサルタント会社やオンラインサロン主宰、SNSでの情報発信など漢方・中医学業界のパイオニアとして活躍中。

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『不調が消える食べもの事典』

(杉山卓也/あさ出版)

むくみには「キウイフルーツ」、熱中症には「梅干し」がいい!スーパーやコンビニなど、どこでも買えるもので、不調知らずのカラダになれる食材の大事典。体と心をいたわるセルフケアがすぐできます。明日からの献立の参考に。

※この記事は『不調が消える食べもの事典』(杉山卓也/あさ出版)からの抜粋です。
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