「健康のために野菜を食べなきゃ・・・」じゃ続きません。漢方のスペシャリストが教える「健康になれる心構え」

頭痛や腹痛などのちょっとした体の不調。病院に行くほどでもないものの、どうにかしたいですよね?こうした不調は、「自分の体に合った食べものを摂ればだんだんと改善される」と漢方薬剤師の杉山卓也さんは言います。そこで、東洋医学に精通する杉山さんの著書『不調が消える食べもの事典』(あさ出版)から、食べもので健康をキープする「食養生」の始め方と「旬食材の効能」の一部をお届けします。

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【登場人物】

よう子:20代の会社員。デスクワークの毎日で、体の不調に悩む女性。冷え性や頭痛などを根本的に治したいけれど、どうすればいいのかわからない。

タクヤ先生:神奈川県にある漢方薬局の薬剤師。相談に来られる方へ漢方薬の処方だけでなく、食生活のアドバイスもしている。


ある日、よう子さんは友人とランチをしていました。そこで自分の体調のことを話していると、友人に予約制の漢方薬局を勧められました。後日、よう子さんは、ドキドキしながら紹介された漢方薬局を訪れました。


【第2回】養生をはじめるのに意気込みはいらない

よう子 昨日はありがとうございました。今日からよろしくお願いします。

タクヤ先生 こちらこそよろしくお願いします。では、まずおさらいです。養生とは何だったでしょうか?

よう子 えっと、養生は健康になるための方法で、食べもので健康になる食養生と生活の仕方で健康になる生活養生があります。

タクヤ先生 はい、そのとおりです。さすがですね。

よう子 よかったー。

タクヤ先生 では、養生がわかったところで、今日は養生をはじめる前に知っておきたいことをお話しします。

よう子 養生をはじめる前に知っておきたいことですか?

タクヤ先生 そうです。もし、養生がつらいものだとしたらどうですか?続きそうですか?

よう子 え、つらいものなんですか!?

タクヤ先生 いえいえ、たとえばの話ですよ。

よう子 よかった。うーん、つらいのであれば続かないかもしれないです。

タクヤ先生 そうですよね。養生は、食べものや生活の仕方など、日々の生活に密接に関係しています。それがつらいものだとしたら、毎日つらい思いをしなければいけないですよね。

よう子 毎日『つらい』と思いながら生活していたら健康になれそうにないですね。

タクヤ先生 そうなんです。でも、健康的な生活をするために、つい『あれもしなければいけない』『これもしなければいけない』と考えてしまいませんか?

よう子 たしかにそうですね。野菜を食べなきゃいけないとかお菓子は食べたらダメとか考えてしまいます。

タクヤ先生 そういった『○○しなくてはいけない』と考えるのをまずはやめてみましょう。

よう子 毎日、あれもしなきゃ、これもしなきゃと思うと疲れちゃいますね。

タクヤ先生 そうです。養生は他人に強いられるものではなく、自分が健康になって、楽しい毎日を送るためにすることなので、『○○しなくてはいけない』と考える必要はないんです。

よう子 そうか、自分が健康になるためにしていることですもんね。

タクヤ先生 それに、義務になってしまうとストレスになってしまいますからね。ストレスは健康にとって大敵です。ストレスによって胃が痛くなったり、頭痛が生じたり、心の健康も害されます。そのため、いくら養生していても養生自体がストレスになっていると健康にはなれないんです。仕事が忙しいときもあるし、気が乗らないときもあります。そういうときに無理する必要はないんです。

よう子 なるほど。仕事が忙しいと帰宅するのが遅くなって、コンビニのお弁当を食べることもありますが、それはそれで良しとしていいんですね。

タクヤ先生 そういうことです。だからといって毎日忙しいからコンビニのお弁当でいいということではありませんよ。

よう子 は、はい......。

タクヤ先生 何となく健康になりたいと思っていてもなかなか続かないのが人間です。そのためにも、何のために養生するのかを考えるといいですよ。たとえば、"体重を4キロ落としたい"とか"生理痛を少しでも軽くしたい"とか、目的や目標を決めておけば、野菜とお肉が入ったお弁当とか今日は魚を食べようとか、少しでも健康的な選択が少しずつできるようになれます。

よう子 なるほど。私の目的は、体の不調を治すことです。

タクヤ先生 よう子さんの不調は生理痛と頭痛ですね。目的を決めるときはなるべく小さな目的にして、小さな目的をいくつも達成するといいですよ。目的が大きくて難しいものだと、目的を達成できないことがストレスになってきますから。

よう子 小さな目的ですか。頭痛がするので、毎日痛み止めの薬を飲んでいますが、それを2日に1回にしたいというのでも良いですか?

タクヤ先生 うんうん。いいですね。薬を飲む回数が2日に1回を達成できたら、次は3日に1回など、目的を更新して達成していくといいですよ。

よう子 はい、わかりました。

タクヤ先生 では、よう子さんの目的も決まったので、明日から具体的な方法をお伝えしていきます。よろしくお願いします。

よう子 よろしくお願いします。

【1日目のまとめ】

養生するうえで心がけたいことは3つ。

◉他人に強いられるものではないこと

◉自分が健康になって、楽しい毎日を送るために行うということを忘れない

◉"しなくてはいけない"という気持ちでしないこと

ストレスは大敵です。養生は義務ではないので、無理しないように取り組みましょう。

【最初から読む】漢方のスペシャリストが教える「食養生の始め方」

【まとめ読み】「不調が消える食べもの事典」記事リスト

125-h1-tabemono.jpg野菜、果物、魚介、肉!食べもの80種類+生薬10種類の効能と食べ方がわかります。不調が起きるメカニズムも

 

杉山卓也(すぎやま・たくや)

漢方薬剤師、漢方アドバイザー、神奈川中医薬研究会会長、星薬科大学非常勤講師。神奈川県にある「漢方のスギヤマ薬局」にて予約制の健康相談を受けるかたわら、中医学講師として全国でセミナーを開催。漢方薬局経営者向けのコンサルタント会社やオンラインサロン主宰、SNSでの情報発信など漢方・中医学業界のパイオニアとして活躍中。

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『不調が消える食べもの事典』

(杉山卓也/あさ出版)

むくみには「キウイフルーツ」、熱中症には「梅干し」がいい!スーパーやコンビニなど、どこでも買えるもので、不調知らずのカラダになれる食材の大事典。体と心をいたわるセルフケアがすぐできます。明日からの献立の参考に。

※この記事は『不調が消える食べもの事典』(杉山卓也/あさ出版)からの抜粋です。
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