鞄を「どちらかの肩」にかけていませんか⁉「左右の脳のバランス」が乱れる要因とは

腰痛、手足のしびれ、不眠がなかなか治らない...その原因、実は「右脳と左脳の働きのバランスが崩れている」のかもしれません。そこで、石井克昇さんの著書『不調が消え去る脳バランス体操 右脳と左脳の働きが一瞬で整う』(KADOKAWA)より、左右の脳機能の働きをチェックし、機能が低下した側に刺激を加える健康法「脳バランス体操」についてご紹介します。

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使わない側を意識的に使うことが重要

乱れてしまった脳バランスは、どうすれば回復できるのでしょうか。

低下した脳機能を回復させるには、なにをすればよいでしょうか。

私は極めてシンプルに考えています。

機能低下が起こっている側の脳に、もしくは、機能低下が両側に起こっているなら両側に、刺激を意識的に入れるということです。

バランスの乱れがある場合、使わない側の脳を意識的に使うことが重要なのです。

アメリカ・メジャーリーグで活躍するダルビッシュ有投手は、右投げのピッチャーですが、左投げの練習をしていることで有名です。

レンジャーズ時代の2015年3月に右肘靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受け、翌年5月に復帰したダルビッシュ投手は、約14カ月のリハビリ期間に、左投げの練習をしていたと話しています。

余談ですが、彼は左投げでも最速は79マイル(約127km)の直球に加えて、スライダー、カーブ、チェンジアップも投げられるそうです。

彼は「左投げの練習をするのは、体のバランスを保つため」と話しています。

そもそもアクティベータ・メソッドが非常に効果的である理由も、滞った部位の神経の流れを振動刺激によって調節するだけではなく、その振動刺激が脳へとフィードバックして返っていくからだと考えられます。

左右の脳バランスの乱れに着目するようになって以来、私はアクティベータ・メソッドも、脳バランスの回復のために意識的に活用。

その結果として、大きな効果を生み出せるようになりました。

本書で扱うセルフケア「脳バランス体操」も、まったく同じ発想で行います。

脳バランス体操は、アクティベータ・メソッドで行うことを自力で行い、同様の効果を上げようとするものです。

脳バランス体操によって、機能低下の起こっている側に刺激を与えると、それが脳へ返っていき、機能低下を起こした側への刺激となります。

たった1回の刺激によっても、脳には変化がもたらされます。

すると、脳機能も活性化し、機能低下がいくぶんなりとも回復します。

慢性化した状態では、いったん少しよくなっても、またすぐ元の状態へ戻ってしまうこともあるでしょう。

しかし、脳バランス体操の刺激を毎日くり返すことで、徐々に機能が回復していくのです。

動作の癖やストレスが脳バランスを乱す

ここで、脳のバランスを乱す原因を考えてみましょう。

これまで「強い負荷」「さまざまな環境条件」などと表現してきましたが、脳の発達過程の問題をひとまず除くと、次のような要因が考えられます。

【脳バランスを乱す主な要因】

  • 体の使い方の癖
  • 過去の外傷やケガ
  • 過去のトラウマ(過去の学習効果)
  • 現在の過労とストレス

多くの人が、体の使い方に癖を持っています。

例えば、いつも鞄を右手で持つ人、いつも右肩にかける人。

イスに座るときも、「座り方の癖」を1人1人持っていて、それが長年続くとなると、その蓄積が左右の脳バランスを乱す可能性があります。

電車でたいてい同じ席に座り、風景が流れる方向がいつも同じ。

座ってテレビを見るときに必ず右を向いている、といった日常の習慣的な行動も、脳に影響を与えます。

職業柄、体の使い方が偏るような特定の動作をくり返さなければならないこともあるでしょう。

こうしたケースでは、その動作を長年続けるうちに、脳バランスが乱れてしまうと予想できます。

また、過去に事故などでケガをしていると、はっきりとした後遺症が残らなかった場合でも、知らず知らずのうちに、ケガした部位をかばってしまうことがあります。

すると、かばわれて使われていない側では、脳への刺激が当然少なくなり、刺激の少なかった側の脳機能の低下を引き起こすことがあります。

そして、過去に衝撃的な出来事があり、その体験の記憶映像や言葉などが脳の中にイメージとして残っていると、それが強く脳に影響を及ぼし、脳バランスの乱れを引き起こすケースがあります。

さらには、現在の過労やストレス、例えば仕事のプレッシャーなども、脳の機能低下を引き起こす有力な要因となります。

今後、詳しく紹介しますが、こうした「心理的ストレス」は、私たちにネガティブな感情を引き起こします。

すると、それが脳に大きな悪影響を与えることがわかってきています。

これらの要因が脳バランスを乱し、脳機能の働きを低下させることで、しつこい痛みや不調が引き起こされるのです。

イップスも同じ要因から生じると、私は考えています。

ここまで読んで、「自分の脳バランスは乱れているのだろうか」と気になってきた人もいるでしょう。

慢性的な痛みや不調を抱えている場合、あなたの脳バランスは乱れている可能性が高いと考えられます。

【まとめ読み】『不調が消え去る 脳バランス体操』記事リスト

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6章にわたって、左右の脳機能のバランスを整えて不調を改善する「脳バランス体操」について解説しています!

 

石井克昇(いしい・かつのり)
石井堂クリニカルオフィス・石井堂街の接骨院代表。柔道整復師。米国やカナダで信頼を得ている施術法「アクティベータ・メソッド」を駆使した治療を行う。神経学、東洋医学、心理学、コーチング、脳の誤作動記憶の調整法(心身条件反射療法)を学び、不調な心身を健康へと導くセルフケア「脳バランス体操」を開発。治療院には一流アスリートやアーティスト、モデルなど多くの著名人も訪れる。

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『不調が消え去る脳バランス体操 右脳と左脳の働きが一瞬で整う』

(石井克昇/KADOKAWA)

左右の脳機能のバランスを整えて、長引く痛みや不調を改善する「脳バランス体操」を紹介しています。簡単なやり方で、右脳と左脳どちらの機能が低下しているかをチェックし、低下した側に刺激を入れることで、右脳と左脳の働きが一瞬で整います。神経学、東洋医学、心理学、コーチングを学んだ著者による、まったく新しいアプローチの健康法で話題の一冊です。

※この記事は『不調が消え去る脳バランス体操 右脳と左脳の働きが一瞬で整う』(石井克昇/KADOKAWA)からの抜粋です。

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