腰痛、手足のしびれ、不眠がなかなか治らない...その原因、実は「右脳と左脳の働きのバランスが崩れている」のかもしれません。そこで、石井克昇さんの著書『不調が消え去る脳バランス体操 右脳と左脳の働きが一瞬で整う』(KADOKAWA)より、左右の脳機能の働きをチェックし、機能が低下した側に刺激を加える健康法「脳バランス体操」についてご紹介します。
同じ施術で治る人と治らない人の違いとは?
私がこだわったのは、次の疑問でした。
同じ症状の人に同じ施術をしても、治る人と治らない人がいるのはなぜか?
答えはすぐに見つかりませんでした。
その間も、10以上の整形外科や治療院を巡っても治らなかった腰痛の患者さんや、整形外科の医師から「あなたのしびれは一生取れない」と宣告された患者さんなどが訪ねてきます。
そこで、古来の健康法から、最新の治療法やコーチング理論、脳科学の知識等々までを勉強・研究し、さまざまな治療法・施術法などのセミナーにも参加して、いいと思うものを探し続けました。
その中で、私自身の進むべき方向性を示してくれた、いくつかの注目すべき治療法に出合いました。
それが、カイロプラクティックの重要技法である「アクティベータ・メソッド」だったのです。
短距離界の世界的スターも体のケアに活用
カイロプラクティックは、1895年に、アメリカのダニエル・デビッド・パーマーが始めた手技療法です。
創始されたのが19世紀の末。
100年以上の歴史を有する治療法ということになります。
発祥国のアメリカをはじめ、カナダやEU諸国など、世界で約10万人のカイロプラクター(カイロプラクティックの有資格者)がいます。
カイロプラクティックについては、背骨を手技でポキポキと鳴らし、背骨のズレを矯正することで症状の改善を目指す、といったイメージを持っている人も多いかもしれません。
しかし、背骨をポキポキと鳴らすかどうかは、重要ではありません。
私たちの体は、脳からの指令が神経を介して体の各部に伝えられることによって、健全にコントロールされています。
カイロプラクティックでは、私たちの不調や痛みの原因について、体の各部へと伝わっていく神経の流れがどこかで滞り、スムーズに流れていないことに起因すると考えます。
つまり、その神経の流れの悪いところを特定し、神経を正常に働くようにすることが、カイロプラクティックの施術です。
それまでのカイロプラクティックでは、手技によって背骨に働きかけ、神経の流れを整えていました。
その手法に大きな変革が起こりました。
それが、「アクティベータ・メソッド」(Activator Method)です。
アクティベータという振動機器による刺激で神経の流れを整える
この施術法は、カイロプラクターであった、故ウォーレン・クレメンス・リーと、アーラン・ウィリアム・ファーが創始した手法です。
人間の手の代わりに、アクティベータという機器を使って、背骨や関節に振動刺激を与えます。
アクティベータが与えるのは、「バチン」という一瞬の刺激。
これで効果があるのかと不思議に思う人もいるかもしれませんが、痛みやしびれを引き起こしている神経の流れに直接働きかけるため、最速で効果が現われます。
アクティベータは、手よりもはるかに正確に、効率的に神経の流れを整えることができるのです。
短距離界の世界的スターであるウサイン・ボルト選手も、アクティベータ・メソッドで体のケアを行っていました。
ただし、アクティベータ・メソッドは、単純に手の代わりに、振動機器を使うだけではありません。
施術は、必ず正確な検査とセットになっています。
その正確な検査をもたらすものが、「下肢長(かしちょう)反応検査」(Leg Length Inequality)です。
イラスト/橋爪かおり、i and d company
6章にわたって、左右の脳機能のバランスを整えて不調を改善する「脳バランス体操」について解説しています!