「最近、人の声が聞き取りづらくて・・・」その悩み、加齢によるものとあきらめていませんか? 実は、耳が遠くなるのは年を取った証拠ではないそうです。そこで、「難聴は治らないものではない」と言う聴力回復のエキスパート・今野清志さんの著書『耳は1分でよくなる!』(自由国民社)から、難聴の仕組みと薬も手術もいらない耳がよくなるトレーニング法を連載形式でお届けします。
潜在的な難聴の数はおよそ2000万人?
耳にトラブルを抱える人の数は、皆さんが考えるより、はるかに多いと私は思っています。
5年ごとに行われる厚生労働省の調査では、平成23年度の聴覚障害者数は、65歳未満で6万6800人、65歳以上で17万5400人、合計で、24万2200人となっています。
ですがこの数字は、実際に耳のトラブルに悩む人の、ほんの一部の数でしかありません。
実は、日本以外の基準に従い、40dB以下の音が聞き取れない人も難聴と定義するなら、2000万人を超えるともいわれているのです。
2000万人がどれくらいの数か、想像もつかないという人のために、例をあげてみましょう。
中高年になると気になる、生活習慣病のひとつに、血液中のコレステロールや中性脂肪が増える、高脂血症があります。
皆さんのまわりでも「検査でコレステロール値が悪かった」「中性脂肪が多かった」といった人の話をよく聞くかと思います。
この高脂血症の患者数は、日本全国で推定2000万人といわれています。
また、肥満者や若者にも増えつつある、糖尿病。
よく耳にする病気のひとつですが、糖尿病の可能性が高い患者と、糖尿病の可能性を否定できない人の数が、あわせておよそ2000万人と推測されています。
こうして身近にある、病気と同じくらいの患者数がいると予測されるのが、難聴なのです。
子どもの難聴も急増している
また、難聴は決して「お年寄りの病気」「年をとったからなるもの」ではありません。
近年では、10代の若者や、もっと小さな子どもの患者も急増しています。
ある日、私の治療院に、3歳の男の子が、お母さんに連れられてやってきました。
それまでは、何の問題もなく聞こえていたのに、ある日を境に、呼んでも振り向かなくなったのです。
「一時的なものかもしれない」と様子を見ていたのですが、回復する様子がないので、お母さんが病院に連れて行きました。
病院での診断は、「先天性のものだから治らない」とのこと。
「これまで聞こえていたのだから、そんなはずはない!」と思ったお母さんは、7つ以上の病院を巡りました。
ところが、どこでも改善の見込みはないといわれてしまいます。
途方に暮れて、最後に私の治療院に駆け込んできたのです。
私が治療のベースにする、中医学では、体の不調には必ず原因があると考えます。
聞こえていたものが聞こえなくなったのには、理由があるはずです。
ただ、難聴の原因はひとつでないため、見極めるのが簡単ではありません。
しかし、原因がたくさんあるということは、治療の方法もひとつではないということです。
難聴に効果があるエクササイズやマッサージをお母さんに教えたところ、「なにもしないよりは、やったほうがまし」そう考えたこのお母さんは、少しずつマッサージをしてあげたり、子どもと一緒にエクササイズしたりと、たくさんの方法を試し始めました。
そして、1年半を過ぎるころには、この男の子の耳は、元どおりに聞こえるようになったのです。
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