食事をしているときに「カクッカクッ」などと顎の骨がなることはないでしょうか。音だけならばよいのですが、ある日突然、「ガクッ!」と大きな音とともに強い痛みが走り、口を開けることができず、食事もままならなくなるのが、顎関節症の典型的なパターンです。今回は顎関節症治療のエキスパート・西山暁先生に「顎関節症」の基礎知識を教えていただきました。
「顎関節症は、どの年代の方でもなりえます。下顎と上顎につながる頭蓋骨の間の顎関節には、関節円板があって顎が動くようになっています。関節円板がズレることで音が出て、ひどいズレでは痛みや口が開かないなどの症状につながるのです」と西山暁先生は説明します。
関節円板は、下顎が上下左右に動くたびに移動し、顎の動きをスムーズにする役割があります。
骨や軟骨とは異なりますが、比較的硬い組織で、劣化はしにくいのですが、何かの弾みで関節円板が正常な位置からズレると、顎関節症の症状につながります。
でも、決して怖い病気ではありません。
「ほとんどの場合、痛みや開口障害は、開口訓練や行動療法などの自己管理で改善・予防することができます。早めに診断・治療を歯科で受けるようにしましょう」と西山先生。
ご存じですか「顎関節症」
顎関節症とは、顎関節や咀嚼筋が痛い、口の開閉が容易にできない、音がするなどの障害の診断名です
どんな症状?
・顎が痛い(顎関節痛、咀嚼筋痛)
・口が開かない(開口障害)
・顎を動かすと音がする(顎関節雑音)
上記のように、食事をするときに痛みが走る、口が開かない、顎が鳴るというのが顎関節症の3大症状といわれます
主な原因は?
顎関節に継続的な負荷がかかる食いしばりや、前屈みの姿勢を長時間続けていると症状が生じやすくなります。
セルフチェック「あなたは顎関節症かも!?」
丸の中の数字を足して、9点以上の場合は顎関節症の疑いあり!
まずは歯科を受診しましょう。
(出典:杉崎正志 他.顎関節症スクリーニングに用いる質問項目の選択とその妥当性検定.日顎誌 2007;19:177-184)
構成/高谷優一 取材・文/安達純子 デザイン/g-love.org