腰痛、ひざ痛、肩こり・・・。それらの痛みや不調の原因は「関節のかたさ」にあるかもしれません。かたくなってしまった関節の怖さとセルフチェックにくわえ、関節をゆるめ、元気な体を取り戻す「ゆる関節ストレッチ」を連載形式でお届け!姿勢と関節のプロが考案した「1日1分、2週間で体が柔らかくなるストレッチ」のエッセンスに触れてください。
※この記事は『1日1分! ゆる関節ストレッチ』(渡部龍哉著、関由佳監修/アスコム)からの抜粋です。
ガチガチ関節は、こんなに怖い!
「階段の昇り降りで息が切れる」「長時間歩くと足腰やひざに痛みが出る」など、若い頃は難なくこなせたことが、できなくなったなぁと感じる瞬間、ありますよね。
実は、そういった体の痛みや不調の原因のほとんどは、体の「関節」にあるんです。
子どもの頃や若かった頃、痛みや不調と無縁だったのは、関節がやわらかかったからです。やわらかい関節は、あなたの体を元気に保ってくれるのです。
関節は、骨と骨をつないでいる部分です。立つ、座る、歩く、手や足を伸ばす、曲げるなど、私たちのあらゆる動作の支点になる、非常に大切な部位です。関節がやわらかい状態だと、最小限の力で効率よく動かせるので、体に負担はかかりません。
しかし、関節がガチガチ状態だと、可動域が狭くなり、うまく動かすことができなくなるため、体に余計な負荷がかかります。
例えば、股関節。
股関節がかたくなると、歩くときに足を後ろにしっかり蹴り出すことができなくなります。そのため、歩くたびに腰やひざに負担がかかるようになり、それが腰痛やひざ痛につながっていきます。ちょっと階段を昇るだけで息が切れてしまうのも、ガチガチ股関節が原因です。下半身をしっかり動かせていないため、余計な力がかかり、すぐに疲れてしまうのです。体には、どこかがうまく動かないと、別の部位でそれを補おうとする「カバー機能」があります。
少しの間なら支障はありませんが、その状態が繰り返されると、カバーしようと頑張っている場所に疲労がたまり、痛みなどの障害が発生してしまうのです。
ガチガチ関節の悪影響は、痛みだけではありません。
ガチガチ関節で関節のまわりの筋肉をうまく使えなくなると、関節がかたまるだけでなく、姿勢の歪みが生じます。姿勢が歪むと、体の中の内臓の位置もずれてしまうので、胃腸の調子が悪くなったり、血流が悪くなってむくむ、冷えるなど、さまざまな不調が起きるようになります。
また、体の内外の働きが鈍くなることで代謝が下がって太りやすくなったり、お腹まわりやお尻に余分な肉が付いて、スタイルが崩れてしまう原因にもなります。
関節がかたくなることで、こんなにたくさんの「悪いこと」が起きてしまうんです。
次回の記事では、ガチガチ度のチェック方法などをお伝えします。
次の記事「3つのポーズで診断!あなたの関節「ガチガチ度」セルフチェック/ゆる関節ストレッチ(2)」はこちら。