年齢とともにつらくなる人が多い腰、ひざ、足の痛み...。いくつになっても動ける体を目指すには、「ひざ裏のばし」がおすすめです。そこで、整形外科医・カイロプラクターである竹谷内医院院長、竹谷内康修先生にお聞きした「ひざラク体操」をご紹介。今回は「ひざの稼動粋を広げる」体操です。
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2つの「関節体操」で新陳代謝もUP!
ひざを曲げのばしすることで、関節の動きをよくし、ひざの可動域を広げる関節体操です。関節包(関節を包む膜)や靭帯に刺激を与え、新陳代謝をよくする効果もあります。まずは以下の2つの体操を行ってみてください。
■ひざ裏のばし体操(関節体操1)
1回20秒、短い休みを入れながら3回。片足ずつ行います。
1 いすに座り、片方の足を前にのばし、そのひざに両手を置く。
2 両手でひざがのびるようにしっかり押す。20 秒キープ。
これはNG!上体を前傾すると骨盤が倒れ、太ももの裏がつっぱって、ひざ裏がのびにくくなります。
■ひざ屈伸体操(関節体操2)
1回20秒、短い休みを入れながら3回。片足ずつ行います。
1 床に座って片方のひざを曲げ、すねの辺りで両手を組む。
2 太ももに引きつけ20秒キープ。
タオルを使ってもOKです!体がかたくてうまく手が組めない場合は、タオルを引っ張って引きつけます。
さらに「弱めの筋力トレーニング」でひざの機能を回復!
先にご紹介した関節体操とあわせて行いたいのが、「弱めの筋力トレーニング」。筋肉を鍛え、ひざの機能を回復します。足上げ体操はひざの安定化に最も重要な大腿四頭筋(だいたいしとうきん。股関節からひざまでのびる筋肉)を鍛える体操です。
■足上げ体操(弱めの筋力トレーニング)
ゆっくり上げて5秒静止→ゆっくり下ろす、を20回。片足ずつ行います。
1 あおむけになる。
2 片方のひざを立て、もう片方はまっすぐのばす。
3 のばした足を床から10㎝ぐらいまでゆっくり上げて5 秒間静止し、ゆっくり下ろす。2~3秒の休みを入れて20 回繰り返す。足首は曲げ、つま先は上に。
これはNG!足を上げ過ぎると大腿四頭筋への負荷が少なくなってしまいます。
いすに座ってもOKです!寝た姿勢がきつければ、座ってやってもよいです。片足をのばし、床から10 ~ 20㎝ぐらいゆっくり上げます。
これら3つの運動を、まずは1日15分実施してみてください。効果的に運動を組み合わせて、ひざの健康を取り戻していきましょう!
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取材・文/細川潤子 撮影/原田圭介 モデル/松岡真樹子