「外反母趾」の痛みに悩んでいる人も多いのではないでしょうか?若年層の発症も多く、現代病のひとつにも数えられているこの病気について山王病院・整形外科部長の青木孝文先生にお聞きしました。今回は治療法についてお届けします。
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足の親指が人さし指側に「く」の字に曲がって起こる外反母趾。そのいちばんの問題は痛みです。対処するためには、手術の前に、保存療法を検討します。薬物療法、装具療法、運動療法などを試します。
効果が高い保存療法のひとつに包帯療法があります。
足のMTP関節部を弾力性のある包帯で巻くだけの簡単な方法です。早い人では2~3カ月で楽に歩けるようになります。
■痛みがラクになる!包帯療法のやり方
(1) 5cm幅の伸縮性のある「弾性包帯」を用意(医療機関かインターネットで購入可能)します。
(2)足の母趾と第五指の付け根のMTP関節のところに軽く引き締めるように巻いてください。
(3) 足の甲全体をくるむように6~8回巻きます。※矯正することが目的ではないので、きつく巻き過ぎないように注意!
足部のマッサージ、足の指の曲げ伸ばし運動を同時に行うと効果が上がります。つま先立ちの体操は、土踏まずに関係するふくらはぎの筋力を鍛えます。
保存療法で効果がなかったり、変形を直したい場合には手術を検討します。手術後、従来の靴が履けるようになるには約半年から1年かかります。
足の指をやわらかく保ち、足の指や甲の筋力をつけることが予防や再発防止につながります。普段から足の指を触ったり、足の指に意識を向けたりする癖をつけておくことが大切です。
取材・文/古谷玲子(デコ) イラスト/メイタ ハセガワ