巻くだけで痛みがラクに!外反母趾の「包帯療法」とは

「外反母趾」の痛みに悩んでいる人も多いのではないでしょうか?若年層の発症も多く、現代病のひとつにも数えられているこの病気について山王病院・整形外科部長の青木孝文先生にお聞きしました。今回は治療法についてお届けします。

巻くだけで痛みがラクに!外反母趾の「包帯療法」とは pixta_42104314_S.jpg前の記事:アーチの崩れが招く?足の構造から知る「外反母趾」の仕組み/外反母趾(1)はこちら

足の親指が人さし指側に「く」の字に曲がって起こる外反母趾。そのいちばんの問題は痛みです。対処するためには、手術の前に、保存療法を検討します。薬物療法、装具療法、運動療法などを試します。

効果が高い保存療法のひとつに包帯療法があります。

足のMTP関節部を弾力性のある包帯で巻くだけの簡単な方法です。早い人では2~3カ月で楽に歩けるようになります。

■痛みがラクになる!包帯療法のやり方

(1) 5cm幅の伸縮性のある「弾性包帯」を用意(医療機関かインターネットで購入可能)します。巻くだけで痛みがラクに!外反母趾の「包帯療法」とは 1905_p091_03.jpg

 

(2)足の母趾と第五指の付け根のMTP関節のところに軽く引き締めるように巻いてください。巻くだけで痛みがラクに!外反母趾の「包帯療法」とは 1905_p091_04.jpg

 

(3) 足の甲全体をくるむように6~8回巻きます。※矯正することが目的ではないので、きつく巻き過ぎないように注意!

 
足部のマッサージ、足の指の曲げ伸ばし運動を同時に行うと効果が上がります。つま先立ちの体操は、土踏まずに関係するふくらはぎの筋力を鍛えます。

保存療法で効果がなかったり、変形を直したい場合には手術を検討します。手術後、従来の靴が履けるようになるには約半年から1年かかります。

足の指をやわらかく保ち、足の指や甲の筋力をつけることが予防や再発防止につながります。普段から足の指を触ったり、足の指に意識を向けたりする癖をつけておくことが大切です。

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取材・文/古谷玲子(デコ) イラスト/メイタ ハセガワ

 

 

<教えてくれた人>

青木孝文(あおき・たかふみ)先生

山王病院・整形外科部長、国際医療福祉大学 臨床医学研究センター教授。

日本医科大学卒業。1991年、日本医科大学大学院修了。医学博士。日本医科大学武蔵小杉病院整形外科部長などを経て、2014年より現職。著書に『外反母趾は包帯1本で治せる』(マキノ出版)など。

この記事は『毎日が発見』2019年5月号に掲載の情報です。

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