「足のアーチ構造の崩れ」が魚の目やタコを引き起こす主な原因です/魚の目・タコ・イボ

いつの間にか足にできている魚の目やタコ。症状がひどくなければ、「ヒールを履いているから仕方ない」「そのうちに治るだろう」と、そのまま放置していませんか?

実は、魚の目やタコは健康な足にはできません。「あって当たり前」ではなく、「なくて当たり前」の症状です。小さな症状ではありますが、足のバランスが悪くなっていることを知らせる初期のサインなので、きちんと受け止めて治療することが必要です。

魚の目やタコ、また、それらと間違えやすいイボについて、それぞれの特徴や原因、治療法などを、足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長・桑原靖先生にお聞きしました。

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足の骨のゆがみによって圧力を支えられず発症します

魚の目やタコを引き起こす原因は、歩き方の他、合わない靴やヒールの高い靴を長時間履くことなどがありますが、「最も大きな原因は、足の骨格のゆがみです。足の骨格が崩れていると、足にさまざまなトラブルが出ることになります」(桑原先生)。

正常な足は、足首の付け根あたりからつま先(一般的に「甲」と呼ばれる部分)に向かう骨が緩やかなアーチを形成しています。これは、「足のアーチ構造」と呼ばれます。

このアーチ構造は、古代の石橋と同じく、アーチ状であるからこそ頑丈なもの。足は、一歩一歩踏み込むたびにかなりの衝撃がかかります。この衝撃を受け止め、足へのダメージを和らげているのが、このアーチです。甲の部分の縦横に適切なアーチが保たれ、足の骨が微妙にたわむことで、足は体の重みや歩くときの衝撃を吸収する仕組みになっているのです。

立ち方や歩き方に悪いクセがあったり、合わない靴を履いたりして、この足のアーチ構造にゆがみが生じ、形が崩れてくると、骨と骨の間のあちこちにすき間ができてしまい、体の重みや地面から受ける圧力を支えられなくなってしまいます。そして、そのすき間やひずみが大きいところの骨や関節、筋肉や腱などに力が集中し、足や指が変形したり、痛くなったりしてしまうのです。

例えば、足の親指が小指側に曲がる「外反母趾」、足の小指が親指側に曲がる「内反小趾(ないはんしょうし)」、足の指の関節がかくの字に曲がる「ハンマートゥ」、巻き爪などは、このアーチ構造が崩れたことによって引き起こされることが多い症状です。

足の骨や爪に異常があると、その痛い部分をかばって使わない代わりに、他の部分を使って歩くことになります。例えば、親指が痛いために小指の裏を使って歩いたり、股関節を開くように大股で歩いたり、クセのある不自然な歩き方をするうちに、さらに足に負担をかけたり、同じ箇所が靴に当たりやすくなったりして、魚の目やタコができやすくなります。

「足の骨格は、建物の基礎となる土台と同じですから、足の骨格構造がゆがんでいると、全身のバランスが不安定になります。ひざ痛や腰痛などに悩む人が、実は足が悪かった、という場合も多いのです」と、桑原先生。

足の骨格のゆがみの進行は、正しい靴の選び方や歩き方、インソール(中敷き)の活用、ストレッチなどである程度予防することができます。

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魚の目やタコを大きなトラブルと感じていなくても、以下のような項目に当てはまる人は要注意。早めに対策するように心がけましょう。

【足のアーチ 崩れ度チェック】
当てはまる数が多いほど、足のアーチが崩れています。

・足が疲れやすい、ふくらはぎがつりやすい
・ぺたんこの靴よりもハイヒールを履くほうが楽
・靴底のかかとの減りが左右非対称、もしくは内側からすり減る
・足の親指の爪が変形している
・はだしで片足立ちすると、ふらふらして立っていられない
・足の裏や指にタコ・魚の目がある
・「ゆっくり歩く」ことができない
・ぺたんこ靴よりヒールのある靴を履いているほうが楽
・夜寝ている間に足がつることがある
・ズボンのすそを直す時、どちらかが合わない
・家族に足に悩んでいる人がいる

 

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取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

<教えてくれた人>

桑原 靖(くわはら・やすし)先生

足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長。2004年、埼玉医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で外科医長、フットケアの担当医を務める。日本に足を専門的に診療する医療機関がほとんどないことに問題意識を持ち、2013年、足の医療に特化した「足のクリニック 表参道」を開院。専門医、専門看護師、足専門理学療法士などによるチーム医療で足の総合診療を行っている。年間約6,000人、これまでに延べ30,000人近くの患者を診察。著書に『元気足の作り方 美と健康のためのセルフケア』(NHKまる得マガジン/NHK出版) 、『外反母趾もラクになる!「足アーチ」のつくり方』(セブン&アイ出版)他。

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