負担をかけない歩き方で、足と爪を自分でケア/足の爪の変形

pixta_24874805_S.jpg普段はあまり気にすることのない、足の爪。小さなパーツですが、変形したり、色が変わったりしていませんか? 巻き爪をはじめとする足の爪の異常は、実は歩き方や姿勢などの生活習慣や外反母趾など、さまざまな要因の積み重ねから複合的に起こっているもの。大したことないと思っていると、やがて強い痛みを伴い、歩行困難にもつながるので、注意が必要です。

さまざまな足の爪の異常やその原因、正しいセルフケアの方法を、皮膚科医で、「日本フットケア学会」の理事も務める高山かおる先生にお聞きしました。

前の記事「足のタイプに合った正しい靴を選べば爪は変わります/足の爪の変形(13)」はこちら。

 

体を支える3つの足のアーチを使って歩きます

「巻き爪」をはじめとする足の爪のトラブルには、爪の切り方や靴の選び方などさまざまな要因がありますが、歩き方や姿勢もその1つです。偏った歩き方や姿勢が続くと、足の形が変形して、爪にもひずみが現れてくるからです。

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立ったり歩いたりするのは毎日のこと。小さな癖でも、日々積み重なると、結果として大きな障害につながります。

「歩き方や姿勢のポイントとなるのは、足の骨の『アーチ構造』です。健康的な足には、
(1)親指のつけ根からかかとまでを結ぶ『内側の縦アーチ』、(2)小指のつけ根からかかとまでを結ぶ『外側の縦アーチ』、(3)親指のつけ根から小指のつけ根までを結ぶ『前方の横アーチ』という3つのアーチがあります。しなやかで強いこの『アーチ構造』が、長時間体重を支え、体のバランスを取っていますが、そもそも爪や足のトラブルはこれが崩れることが原因で起きることが多いのです」(高山先生)。

重心を足に正しくかけて立ち、足のバネを使って歩くことができれば、足の「アーチ構造」が崩れることはそんなにありません。足のアーチを整える歩き方や姿勢をマスターしましょう。

 
【正しい歩き方】

簡単に言うと、かかとで着地し、親指で後ろに蹴る歩き方です。こうすると足の裏が返り、前に進む力が生まれてスムーズに歩けます。詳しく説明すると次のようになります。

1. かかとで着地する。
2. かかとに乗った重心を、足の裏の外側から小指のつけ根に移動させる。
3. 小指のつけ根から薬指のつけ根、中指のつけ根へと重心を移動させながら、指で地面をつかむイメージで親指のつけ根から地面を蹴って、最後は親指で蹴り上げる。

重心は、かかと→土踏まずの外側→つま先 の順に移動させます。こうすると、足の3つの大事なアーチの基点であるかかと、小指のつけ根、親指のつけ根の3点にまんべんなく力がかかることになります。

合わせて、次のような点も意識しながら歩いてみましょう。
・頭の上から糸で引き上げられているイメージ
・顔はまっすぐに起こし、あごは引きすぎないようにする
・軽く胸を張る
・腰を反らせない
・脚はおへそのあたりから前へ出すように意識する
・後ろに蹴り出す時にひざを伸ばす

 
【正しい立ち方(姿勢)】

正しい歩き方の土台になるのが、正しい立ち方(姿勢)です。まっすぐに立って下を見た時に、足の先の全体が見えるのが正しい姿勢。突き出した胸が見えたり、腰が引けておなかが見えたりしてはいけません。

高山先生によると、「足にトラブルがある人のほとんどが姿勢に問題があり、体幹部(胴体の中心)の筋肉が使われていない」のだそうです。体幹部の筋力が十分でないと、立っていても体をしっかり支えられません。そのため、足に過度な重力がかかり、歩き方が悪くなってしまいます。そうするうちに足のアーチが崩れ、やがて足や足の爪にも影響を及ぼすことは、当然の結果といえるのです。

歩き方に気をつけるだけでなく、適度な体操や運動を日常に取り入れ、体幹部の筋肉を意識して鍛えるようにするのも、足や足の爪にとって大切なことです。

 

次の記事「最近注目を集めているフットケア外来とは?/足の爪の変形(15)」はこちら。

取材・文/岡田知子(BLOOM)


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高山かおる(たかやま・かおる)先生

医師・医学博士。済生会川口総合病院皮膚科主任部長、東京医科歯科大学臨床准教授。接触性皮膚炎、フットケアを専門とする。難治性の巻き爪、陥入爪、肥厚爪などの疾患に対し、トラブルの根治を目指した原因の追求、診察、専門治療のほか、セルフケアの指導を行う。「100歳まで自分の足で歩ける社会」を目的に発足した「足育研究会」の代表、日本フットケア学会の理事を務め、フットケアの啓発活動も行っている。著書に『巻き爪、陥入爪、外反母趾の特効セルフケア』(マキノ出版)、監修に『皮膚科医が教える本当に正しい足のケア』(家の光協会)

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