簡単ストレッチで正しく歩くための柔軟性を保ちましょう/魚の目・タコ・イボ

いつの間にか足にできている魚の目やタコ。症状がひどくなければ、「ヒールを履いているから仕方ない」「そのうちに治るだろう」と、そのまま放置していませんか?

実は、魚の目やタコは健康な足にはできません。「あって当たり前」ではなく、「なくて当たり前」の症状です。小さな症状ではありますが、足のバランスが悪くなっていることを知らせる初期のサインなので、きちんと受け止めて治療することが必要です。

魚の目やタコ、また、それらと間違えやすいイボについて、それぞれの特徴や原因、治療法などを、足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長・桑原靖先生にお聞きしました。

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前の記事「ここに注意! 足の痛みやトラブルを回避するタイプ別靴の選び方/魚の目・タコ・イボ(8)」はこちら。

 

アキレス腱と股関節の柔軟性は特に重要

少ししか歩いていないのに、足が疲れたり、ガクガクしたりしていませんか。そんな人は、足のアーチ構造が崩れているのかもしれません。アーチが崩れると、立ったり歩いたりするときに足(足首からつま先)や脚(足首から太もも)の筋肉に余計な力がかかり、疲れやすくなるのです。アーチが崩れたまま放っておくと、やがて魚の目やタコだけでなく、外反母趾や巻き爪などさまざまな足のトラブルに見舞われる可能性もあるので、早めに対処しましょう。

「足のアーチ構造が崩れる原因は、遺伝的な骨格・関節構造の弱さが主ですが、この他に正しくない立ち方や歩き方、合わない靴などの他、加齢による筋肉やじん帯の衰えなども挙げられます。元気に歩くためには、体の柔軟性を保つことが大切。歩くときに使う筋肉や腱、関節に柔軟性があれば、足に無理な力がかかる可能性が減り、結果的に足のトラブルも減ることになるのです」と、桑原先生はいいます。

柔軟性は、ストレッチを続けることでかなり改善することができます。日々の生活に取り入れて、いつまでも元気に歩ける足を守りましょう。

ただし、無理は禁物。「気持ちいい」を通り越して、「痛い」と感じるほどではやりすぎです。また、足にトラブルがある場合は、必ず医師と相談してから行いましょう。足が痛いときはもちろん、足以外の体のどこかに痛みがある場合は、行ってはいけません。

 

■アキレス腱のストレッチ

アキレス腱は、ふくらはぎとかかとをつなぐ重要な組織。ここが硬いと、足首を十分に曲げられず、かかとがスムーズに上がりません。アキレス腱が伸びることは、歩くことの基本動作の一つなので、歩く前に行うのも有効です。

<こんな人におすすめ>
・足首があまり曲がらない
・フラットな靴よりハイヒールのほうが楽
・かかとや足裏に痛みがある

1.立った状態からひじを真っすぐ伸ばして、壁に両手を付ける。
2.つま先は壁に対して垂直にし、伸ばしたい足を後ろに一歩下げる。ひざは曲げない。
3.前に出ている脚のひざをゆっくり曲げる。
4.ふくらはぎがやや突っ張る程度の状態で、後ろの脚のアキレス腱が気持ちよく伸びた
状態で1分間キープする。脚を替えて繰り返す。

 

■股関節のストレッチ

人は歩くときに、足だけでなく、足首、ひざ、股関節、そして、腰、上半身と、全身を使ってお互いの機能を補うようにして前に進みます。股関節に柔軟性が足りないと、無意識のうちにそれをひざや足首で補うような歩き方になり、足のトラブルを引き起こします。
ストレッチをして股関節の動きをよくすれば、脚がスムーズに開くようになり、足のトラブルも軽減します。

<こんな人におすすめ>
・姿勢が悪い
・腰に痛みが出やすい
・歩幅が狭い
・あぐらや割座(正座から両すねを広げておしりを床に着ける座り方)ができない=特に股関節の可動域が狭いと考えられる。

 

◎もも前面の前後ストレッチ
1.片方のひざを床に着き、もう一方の脚のひざを垂直に曲げて前に出す。
2.背筋を真っすぐ伸ばしたまま、おしりを前にスライドさせるように押し出す。
3.そのまま後ろ脚の太ももの前面が気持ちよく伸びる状態で、1分間キープ。
脚を替えて繰り返す。

◎股関節の内回しストレッチ
1.床に正座をする。
2.両すねを開いておしりを床に着け、片方のひざ下をゆっくり外側へ開く。
3.開いたほうの脚の付け根の外側が突っ張った状態で、1分間キープ。脚を替えて
繰り返す。

◎股関節の外回しストレッチ
1.背筋を真っすぐ伸ばし、あぐらをかくように脚を広げて座る。
2.足の裏を合わせ、手でつま先を持って体に引き寄せる。
3.そのまま背筋を伸ばしたまま、上体を前に倒す。両ひざが閉じないように注意し、
太ももが突っ張った状態で1分間キープ。

 

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取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

<教えてくれた人>

桑原 靖(くわはら・やすし)先生

足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長。2004年、埼玉医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で外科医長、フットケアの担当医を務める。日本に足を専門的に診療する医療機関がほとんどないことに問題意識を持ち、2013年、足の医療に特化した「足のクリニック 表参道」を開院。専門医、専門看護師、足専門理学療法士などによるチーム医療で足の総合診療を行っている。年間約6,000人、これまでに延べ30,000人近くの患者を診察。著書に『元気足の作り方 美と健康のためのセルフケア』(NHKまる得マガジン/NHK出版) 、『外反母趾もラクになる!「足アーチ」のつくり方』(セブン&アイ出版)他。

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