足の痛みやトラブルを防ぐ「足に優しい靴」の選び方/魚の目・タコ・イボ

いつの間にか足にできている魚の目やタコ。症状がひどくなければ、「ヒールを履いているから仕方ない」「そのうちに治るだろう」と、そのまま放置していませんか?

実は、魚の目やタコは健康な足にはできません。「あって当たり前」ではなく、「なくて当たり前」の症状です。小さな症状ではありますが、足のバランスが悪くなっていることを知らせる初期のサインなので、きちんと受け止めて治療することが必要です。

魚の目やタコ、また、それらと間違えやすいイボについて、それぞれの特徴や原因、治療法などを、足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長・桑原靖先生にお聞きしました。

pixta_39010832_S.jpg前の記事「治療は軟膏やインソールを使いながら。手術で取るのはおすすめできません/魚の目・タコ・イボ(6)」はこちら。

 

「理想の靴」とは足の骨格の崩れを止めてくれる靴のこと

魚の目やタコができるのを防ぐには、足のアーチ構造を保つことが大切ですが、まず靴の選び方を見直してみましょう。靴選びは、足の健康のために重要なポイントとなります。

「足をしっかりサポートしてくれる靴でない場合、歩くたびに足が靴の中で動いたり、足の一部に負担が集中したりします。その結果、足の骨格構造が崩れ、魚の目やタコをはじめ、外反母趾や爪の変形などのトラブルに発展する可能性もあります」と、桑原先生はいいます。

足のトラブルを訴えるのは、男性よりも圧倒的に女性が多いですが、その理由の一つに、女性は足に負担がかかる靴を長時間履いていることが挙げられます。ヒールが4cmを超える靴は体重がつま先にかかってしまうため、足によいとはいえません。骨盤が前傾し、体全体も前傾するので、人間の体本来の正しい構造を崩してしまうことになるからです。

そもそも足は、前方で大きな力を支えられる構造はしていません。ですから、この状態で立ったり歩いたりする時間が長いほど、足先に大きな負担がかかり、魚の目やタコをはじめ、指の変形や足裏の痛み、靴ずれ、外反母趾など、さまざまなトラブルにつながります。特にデザインを重視したパンプスはつま先の部分が狭いので、指先への負担も大きくなり、長年履き続ければ、骨の変形を招く可能性も大きいでしょう。

足のことを考えたら、ハイヒールは履かないに越したことはありませんが、履く機会も多々あるはず。その場合は、履く時間をできるだけ短くしましょう。例えば、通勤時はスニーカー、オフィスでは低めのヒール、夜のパーティーはハイヒール、というように、TPOに応じて靴を履き替えるのがおすすめです。

 

【正しい靴の選び方】
基本的に靴は、足の指の付け根の部分、その少し後ろの甲の部分、かかとの3カ所を締めることで脱げない構造になっています。この3カ所がしっかり締まっていれば、靴の中で足が動くことがなく、足のアーチは崩れにくくなります。

重要なのは、この3カ所をしっかり締めていて、なおかつサイズがぴったり合ったものを選ぶこと。小さい靴は足の指が圧迫されて外反母趾や爪のトラブルを助長し、大きい靴は足が中で動いて魚の目やタコ、靴ずれの原因となります。
靴メーカーの直営店やシューフィッターのいる靴専門店などで自分の足のサイズを測ってもらうといいでしょう。

1.自分の足のサイズを把握する
足の長さ(レングス)だけでなく、足囲(ワイズ)も選べる靴を探します。日本では、
長さ...はだしの足でつま先からかかとまで0.5㎝刻み。
足囲...足指の付け根(最も幅が広い部分)の1周分。成人女性ならA、B、C、D、E、EE、
EEE、EEEE、Fの9サイズ。成人男性なら、これにGが加わって10サイズ。

2.試し履きはかかとから合わせる
どの靴でも、靴の幅はかかとを基本にして、その先も作られているので、まずかかとの幅や高さが合うことが大切。指先が痛くなることが多いので、指先が合う靴を選びがちですが、そうするとかかとが緩く、パカパカして抜けやすく、足に大きな負担がかかります。

3.つま先のゆとりを確認
かかとを合わせた後、足指の先端に5~10mm程度のゆとりがあるのが適正サイズ。指先がきつい場合は、ストレッチャーなどで広げます。

4.歩いてみる
試し履きのまま、店内を歩いてみます。荷重がかかることで靴はつぶれてやや大きくなります。つま先や甲がきつくないか、脱げやすくないかを確認しましょう。

 

次の記事「靴のタイプ別にアドバイス。足の痛みやトラブルを回避する靴の選び方/魚の目・タコ・イボ(8)」はこちら。

取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

<教えてくれた人>

桑原 靖(くわはら・やすし)先生

足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長。2004年、埼玉医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で外科医長、フットケアの担当医を務める。日本に足を専門的に診療する医療機関がほとんどないことに問題意識を持ち、2013年、足の医療に特化した「足のクリニック 表参道」を開院。専門医、専門看護師、足専門理学療法士などによるチーム医療で足の総合診療を行っている。年間約6,000人、これまでに延べ30,000人近くの患者を診察。著書に『元気足の作り方 美と健康のためのセルフケア』(NHKまる得マガジン/NHK出版) 、『外反母趾もラクになる!「足アーチ」のつくり方』(セブン&アイ出版)他。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP