小さな足の裏が全体重を支えている
足の裏は、体重の全てを支えています。歩いたり、走ったりするたびに摩擦が起こり、体を守るために角質が厚くなります。また空気が乾く冬には皮膚の潤いが減り、新陳代謝が衰えます。すると、古い細胞は落ちて新しい角質が生まれる......というサイクルも滞って、角質がたまりやすくなります。
ストレスで自律神経のバランスが崩れたり、また加齢によっても新陳代謝は衰えます。「年齢だから仕方ない」と思っている人もいるかもしれませんが、気を付けたいのは、厚い角質やガサガサのかかとに病気が隠れているかもしれないということです。しばらく保湿ケアをしても状態が変わらない人は、皮膚科を受診しましょう 。
見た目は普通でもかかとの角質に水虫菌が
足は床に触れたり、靴の中で蒸れたりするので、雑菌がたくさんたまってしまいます。そして、いつの間にか病気にかかっていることがあります。 代表的な病気は水虫です。水虫菌は角質が大好き。かゆみや水泡といった症状かなく、全く「普通」に見えるかかとの角質に、水虫菌が巣くっていることがあります。医療機関では、角質を少し削り取り、顕微鏡で菌の有無を確認する検査を受けます。他にイボのウイルスに感染していることがあります。
また足の裏をよく観察してプチッと小さく、黄色い水が入っている水ぶくれがあった場合にも、皮膚科を受診しましょう。多少皮膚が荒れているだけに見えても、「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」という病気かもしれません。この病気は関節の痛みを伴ったり、放置するとひどい痛みが出ることがあります。
他に、厚くなった角質がひび割れて、あかぎれを起こして痛みがある場合にも皮膚科を受診しましょう。ひび割れで痛みがあるなら、角質の下の真皮まで傷がついている状態だと考えられます。足の傷口には雑菌が入りやすいので注意が必要です。 医療機関で適切な治療を受けることをおすすめします。
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取材・文/三村路子
工藤清加(くどう・さやか)先生
美容皮膚科医。六本木わかばクリニ ック院長。総合病院にて皮膚科、内科の研究を経て、現職。患者主体の丁寧な診察と分かりやすい価格設定をモットーに美と健康をサポート。著名人からの指名も多数。オリジナル調合のドクターズコスメの開発も。