浮き指、浮き上げ指、タコ・うおのめ。女性に多い足の不調／足指力を鍛える（６）

浮き指や偏平足（へんぺいそく）、外反母趾（ぼし）、痛みなど、足の不調の原因は、実は足指の力が鍛えられていないことにあります。進行すると、頭痛や腰痛、肩こりなど、全身にさまざまなトラブルをもたらす原因にもなり、改善のためには早めの対策が欠かせません。では、足指の力を鍛える必要があるのは、なぜでしょう？　さいたま中央フットケア整体院院長で年間2000名の施術を行う足のプロ、冨澤敏夫先生にお話を伺いました。

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足の不調はさまざま
代表的なトラブルを知りましょう

足のトラブルはさまざまな症状があります。ここでは、特に女性に多い症状をピックアップしてご紹介します。早めの対策で、不調の改善に努めましょう。

浮き指

●原因と症状
立っているときに指に力が入っておらず、指が浮いている状態。足の親指を上（甲側） に向かって強く押したときに90度以上曲がったり、反り過ぎてしまう人は浮き指の可能性が高いです。正常な人の場合は、45～75度ぐらいの角度にしか反りません。放置すると、痛みや肩こり、めまいなどの原因になります。

●改善法
足指の力を鍛える運動を習慣にすると効果的です。「グー・パー運動」は、座った状態で、足指だけを使ってグー（すべての指を内側に折り込む）・チョキ（親指を立てて残りの4指を内側に折り込む）・パー（5本の指をすべて開く）とじゃんけんを繰り返すだけ。1 日3回ずつ3セットを目標に行いましょう。

　
指上げ足

●原因と症状
歩いているときに指が必要以上に上がっている状態で、リラックスしていても指先が上を向いています。日常的に、大きめの靴やハイヒール、スリッパなどを履いていると、指の踏ん張る力がうまく使えず、次第に浮いてきてしまいます。放置すると、足裏にタコができたり、ひざや腰、首などに痛みが出ます。

●改善法
浮き指同様、少しずつ修正していく必要があるので、座った状態で足指だけでグー・チョキ・パーとじゃんけんを繰り返す運動が効果的です。1 日3回ずつ3セットを目標に行いましょう。行う際は、片足ずつでも、左右同時に行ってもかまいません。最初はうまくいかなくても繰り返すうちにできるようになります。

　
外反母趾

●原因と症状
足の親指の先が足の内側に曲がり、付け根の関節が体の内側に大きく出っ張ってしまう変形。原因は足裏の衰えです。特に、足指が地面を踏ん張ることができない指上げ足の人やかかとに重心を乗せて歩くペンギン歩きの人に多く見られます。見た目で分かるぐらい曲がっていたら早めに対策を立てる必要があります。

●改善法
専門家の指導のもと的確なテーピングを行うことで、外反母趾自体は改善されます。しかし、指上げ足や扁平足があると治りにくく、治ったとしても必ず再発するので、テーピングを行う一方で、根本的な足の機能を回復させて、正しい歩き方や立ち方を覚える必要があります。足に合った靴を選ぶことも不可欠です。

　

タコ・うおのめ・角質

●原因と症状
タコやうおのめ、角質ができる原因は、間違った歩き方です。また、タコや角質が厚くなり、硬くなってくると、足裏の感覚が鈍くなります。そのため、歩くときの着地の仕方に独特のクセがついてしまいます。また、痛みを伴う場合、その痛みを避けようとかばうことで、さらに悪い歩き方になり、悪化を招きます。

●改善法
削ったり、市販の薬剤でセルフケアをしたりする人が多いですが、なかなか完治しないのがこれらの症状。なぜならば、原因は歩き方のせいだから。正しい歩き方、立ち方を覚えることで徐々に改善が見込めます。また、タコの場合、内部にうおのめがある難治性のものもあるので、専門の医療機関に相談しましょう。

　

取材・文／笑（寳田真由美）　イラスト／はせがわめいた

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