粉瘤は自然治癒しない!? 炎症すると腫れて痛くなる...早めの手術を/粉瘤

粉瘤(ふんりゅう)という病気をご存じでしょうか? またの名をアテロームやアテローマといい、誰にでも、全身のどこにでもできる可能性がある良性の腫瘍です。はじめは米粒大の小さな袋ですが、だんだん大きくなって、数cm以上の大きさになることもあります。押すと悪臭がします。さらに放っておいて炎症を起こすと腫れて痛くなってしまうこともあるので、やっかいな腫瘍です。

粉瘤とは何か、原因や予防法、治療法などを、はなふさ皮膚科の理事長で、粉瘤の手術経験が豊富な花房火月先生にお聞きしました。

 

pixta_31751272_S.jpg前の記事「ふと気づくと皮膚にできている袋状の突起。黒い点があり、押すと悪臭のする膨らみの正体とは!?/粉瘤(1)」はこちら。

 

お尻や背中、首の後ろにできた粉瘤に圧をかけたらダメ

お尻や背中などに粉瘤ができた場合、「目立たない箇所だからそのうち治療すればいいか」なんて気楽に考えてしまっていませんか? しかし粉瘤は放っておくと炎症を起こしてしまうことがあるのです。

粉瘤は自然治癒しません。また飲み薬では治せないため、手術で袋ごと取り除く方法が一般的です。

関連記事:皮膚を切らずに粉瘤を抜き取る「くりぬき法」とは?/粉瘤(4)

しかし粉瘤は気づかなかったり放っておいたりしているうちに、外圧や摩擦がかかって、袋が破裂して内容物が皮下組織(皮膚の真皮層より下の組織)にばらまかれて炎症を起こすことがあります。

「粉瘤がお尻や背中、首の後ろなどにできてしまった場合、椅子に深く座ったり、ベッドに横になったり、首の後ろに手をまわしたりしたときに、外圧や摩擦がかかって、炎症を起こしてしまうことがあります」(花房先生)

そのため、とくにお尻や背中、首の後ろなどの圧がかかりやすい位置に粉瘤ができてしまった場合は注意が必要です。

粉瘤が炎症を起こした状態を「炎症性粉瘤(化膿性粉瘤)」といいます。炎症が起こると表面が赤く腫れて、痛みがでてきてしまいます。つまり、粉瘤が悪化した状態です。

ときに激しい痛みがでてしまうため、早急に手術をする必要があります。しかし炎症がおさまったからといって放っておき、何度も炎症を繰り返してしまうと、粉瘤が周りの組織と癒着してしまい、最終的には手術が困難になってしまうこともあります。

そもそも炎症性粉瘤は、サイズが5cm以上ある場合や何度も炎症を繰り返している場合は手術が二段階になってしまいます。そのため、炎症性粉瘤になってしまう前に手術をして取り除くのがおすすめです。

関連記事:皮膚を切らずに粉瘤を抜き取る「くりぬき法」とは?/粉瘤(4)

炎症が起きないように気を付けるほかに、清潔にしておくことも大切です。粉瘤は水のみ、もしくは水と石鹸で優しく洗います。もし炎症性粉瘤になってしまった場合も、さらなる細菌感染を防ぐために水と石鹸で洗います。洗うときは粉瘤も炎症性粉瘤も、圧や摩擦を加えないように注意してください。

「粉瘤も炎症性粉瘤も、基本的には自然治癒することはありません。もし何十年もそのままの大きさで痛みもなければ放っておいてもよいかもしれません。しかし通常は大きくなっていき、悪臭がしたり、さらに炎症を起こすと腫れて痛くなったりしてしまいます。顔などにできてしまうと見た目にも影響を与えてしまいます。とにかく早めに手術をして取り除きましょう」(花房先生)

 

次の記事「粉瘤だと思ったら違う病気だった!? 粉瘤によく似た病気/粉瘤(3)」はこちら。

取材・文/桑沢香里(デコ)

 

<教えてくれた人>
花房火月(はなふさ・ひづき)先生

医師。はなふさ皮膚科理事長。米国皮膚外科学会、日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本抗加齢医学会に所属。2006年東京大学医学部卒業後、がん研有明病院、東京大学医学部附属病院、NTT東日本関東病院などを経て、2011年はなふさ皮膚科三鷹院を開設。その後、新座院、国分寺院、久我山院、志木院も開設する。皮膚科において低侵襲手術の独自性および術式を広めた実績が評価され、皮膚科医としては唯一、The Japan Times紙により「アジアの次世代を担うリーダー100人」(100Next-Era Leaders IN ASIA2015-2016)に選出される。著書に『だから差がつく! やっぱり美人は、かかりつけの美容皮膚科を持っていた』(雷鳥社)

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP