普段はあまり気にすることのない、足の爪。小さなパーツですが、変形したり、色が変わったりしていませんか? 巻き爪をはじめとする足の爪の異常は、実は歩き方や姿勢などの生活習慣や外反母趾など、さまざまな要因の積み重ねから複合的に起こっているもの。大したことないと思っていると、やがて強い痛みを伴い、歩行困難にもつながるので、注意が必要です。
さまざまな足の爪の異常やその原因、正しいセルフケアの方法を、皮膚科医で、「日本フットケア学会」の理事も務める高山かおる先生にお聞きしました。
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巻かなくても食い込んでいくのが特徴です
「陥入爪(かんにゅうそう)」は、爪の端が爪溝(そうこう)と呼ばれる爪の両脇の溝の皮膚に食い込んで、組織を傷つけ、炎症を起こしている状態です。傷口から細菌に感染して痛んだり、赤く腫れたり、肉芽(にくが/傷口が治る過程でできる、小さく柔らかい組織)が盛り上がったりすることもあります。
「巻き爪」と似ているようにも見えますが、巻き爪が爪の端が丸く巻いている状態に対し、陥入爪は爪の端が巻かなくても、皮膚に食い込んでしまうことが大きな違いです。また、陥入爪は巻き爪と併発することも多くあります。
「慢性化すると、爪の周りの軟部組織(肉)が厚くなってきて、さらなる爪の変形につながってしまうので、早めに治療することが大切です」と、高山先生はアドバイスしています。
また、この場合も、「巻き爪」と同じく、爪を正しく切ることで、ほぼ防ぐことができます。まずは深爪にしないことが肝心です。
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【主な原因】
「巻き爪」とほとんど同じで、足に合わない靴や外的な強い刺激や「外反母趾」などが原因となるほか、「巻き爪」によって変形した爪が周囲に食い込んで発症することも多くあります。
一番大きな原因は深爪。爪を深く切りすぎると、爪の周囲の軟部組織が地面からの力を受けて盛り上がってきます。そして、爪がその周囲の皮膚や肉に当たって傷を作り、陥入爪となります。
また、周囲の軟部組織に埋もれている爪の角を切る時に、爪の角がトゲのように残ってしまう「爪棘(そうきょく)」という状態になることで、それが軟部組織に突き刺さる場合もあります。
【主な治療法】
「巻き爪」と同じく、自分でできるコットンパッキング法やテーピング法、医療機関で行う超弾性ワイヤー法、超弾性クリップ法、アクリル樹脂人工爪療法、ガター法が主に使われています。陥入爪の場合も、食い込んでいる爪の部分を切り取る手術ではなく、爪を矯正する保存的治療を行うことが多くなってきました。
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取材・文/岡田知子(BLOOM)