その日の便はその日のうちに
「出口の便秘」の慢性化で便意を感じないおしりに
「出口の便秘」は、便意を我慢することから始まります。最初はわずかな便にも違和感を感じていた直腸や肛門が、何度も便意を我慢していくうちに便をためることが習慣化し、次第に「そこに便があるのに感じないおしり」=「鈍感便秘」となっていきます。
自分ではなかなか気づきにくい性質をもつ鈍感便秘ですが、毎日排便があるのに痔などのトラブルを抱えている場合は該当している可能性が高いので要注意です。また、症状が進むと数日排便がないことも多く、「おなかの便秘だから腸活しなきゃ!」と勘違いしやすいのも特徴です。
便ため習慣によるおしりのトラブル続出
出口の便秘や鈍感便秘でもっとも多くあらわれるトラブルは、出口に残った出始めの硬い便が排便のときに肛門の皮膚を傷つける「切れ痔(裂肛(れっこう))」です。そのほかにも、「キレイに拭けない問題」や、拭きすぎ、洗いすぎによる「温水洗浄便座症候群」、下着を汚す「ニセ便失禁」や「かゆみ」、便が硬くなり痛くて排泄が困難になる「便栓塞(べんせんそく)(糞詰(ふんづ)まり)」など、さまざまな症状の誘因となります。こうしたトラブルを予防するためにも、まずは便ため習慣を自覚し、出残り便をつくらないようにしましょう。
たまっているのに感じないカラダに
常に出残り便を抱えた状態は、カラダに便をためるトレーニングをさせているということ。カラダは次第に排便のサインを出さなくなる。